刺繍糸(2)|コットンパールはハーダンガーやスタンプワークに、アブローダーはカットワークやフランス刺繡と、刺繡によって使い分けています。

「素材と道具の物語」の連載記事
刺繍糸(1)|たいていの手芸屋さんに置いてあるのが25番刺繡糸。1本ずつ引き出して使えるので、いろいろな太さが表現できます。
刺繍糸(3)|日本刺繡の糸、刺し子やこぎん刺しの糸・・・。刺繍糸の仲間はまだまだあります。
刺繍糸(4)|ウールの糸で刺繍するのも、糸が太くてどんどんステッチができていくのが楽しいですよ。
ウール糸
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文:安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB) 撮影:天野憲仁(日本文芸社)

刺繡糸の話の続きです。

コットンパール(あるいはパールコットン)と呼ばれる、つやのよい糸には、5、8、12番があります。


▲DMCコットンパールの玉巻。10グラムで8番と12番の2種類のサイズがある。

ハーダンガー刺繍やスタンプワークにもよく使われます。フリーステッチでは茎の表現などにコーチングの芯になる糸として使うこともあります。ついこの前まで3番も手に入ったのですが、DMCさんに確認しましたら、フランスでは製造しているが、日本では現在庫をもって廃番になってしまうということでした。


▲左から4本は、越前屋オリジナルのマタルボン、真ん中の3本はDMC4番ソフトコットン、右の3本はDMCのコットンパール。

このほかにCoton a Broder、日本ではアブローダーと呼ばれる刺繍糸もあります。カットワークや本来のフランス刺繍(「フランス刺繍針」参照)によく使われます。


▲アブローダー。

コットンパールや25番の刺繍糸に比べ、少し控えめなつやです。これは、コットンパールなどが2本の撚り糸を撚り合わせてできているのに対し、コットンアブローダーは4本の撚り糸を撚り合わせているからです。


▲アブローダーの白糸。

10年ほど前までは12、16、20、25、30、35、40番と、売られていたのですが、いまは12、35、40番の太さはなくなり、色数も減っているようです。

flower thread、花糸と呼ばれる糸もあります。


▲デンマークの花糸。

甘撚りでつやがなく、ふんわりしています。メーカーにもよりますが、25番刺繍糸2本どり程度の太さのものが多いです。日本ではデンマークやドイツ、アメリカなどの花糸が手に入ります。20年くらい前はDMC(フランス)でも花糸はつくられていて日本でも買えたのですけど、廃番になりました。

色については、1色のもののほかに、1本の中でいろんな色彩のバリエーションのあるものや、同じ色の濃淡のグラデーションの糸もあります。

刺繡糸は、綿の糸の他に、絹、レーヨン、ポリエステル、ウール、リネンなどの糸もあります。メタリックな糸もありますね。リネンの刺繍糸もナチュラルな雰囲気が気に入ってよく使っていました。

気がつけば太い、あるいは細いものが廃番となり、花糸やリネンの刺繍糸も製造が中止されていました。

新しい糸も出てくる一方で、つくられなくなる糸もあります。

 

Instagram:@tsukurira0714

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