フランス刺繍針 |ストレスなく針仕事ができて、きれいに仕上がる針を探したら、300年の歴史を持つ広島針にたどり着きました。

文:安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB)

長さも太さもいろいろあるフランス刺繍針、どんなふうに選んだらいいのでしょうか?

▲(左)フランス刺繍針アソート細番手(no.7〜10)、(右)太番手(no.3〜6)/チューリップ株式会社

 

「フランス刺繍」と呼ばれてきたフリーステッチ

刺繍の大きな分け方として布の目を数えて刺す「カウントステッチ(区限刺繍)」と布目に関係なく刺す「フリーステッチ(自由刺繍)」があります。このフリーステッチは日本ではずっと「フランス刺繍」と呼ばれていました。
本来の、そして正式に国際的にも「フランス刺繍」と呼ばれているのは、白い布に白い糸を盛り上げて刺す白糸刺繍のことです(注)。

現在では日本でも「フリーステッチ」「自由刺繍」と呼ばれるようになってきているようですが、今でも刺繍の針の中でおもにフリーステッチに使われる針は、日本では「フランス刺繍針」と呼ばれています。
海外では、Embroidery Needleと呼ばれることが一般的で、crewel needleと呼ばれることもあります。

(注)参考文献:ユキ・パリス:著 『小さな手芸ミュージアムからの針仕事』文化出版局

 

ほどよくしなる針が刺しやすい

針穴の形状は縫い針のそれとはちがって、刺繍糸を複数本通したり、太い糸を通すために針穴が長く、少し広く作られています。
長く広くとはいってもクロスステッチ針ほどではないです。
針先は尖っています。

クロスステッチのようなカウントする刺繍ではあまり気がつかないのですが、フリーステッチの技法では、針のしなり具合、ねばりがあるとでも言いましょうか、針を持つ手によくなじみ、布どおりがよいものが使いよいように思います。

布にただ突き刺してみるだけでなく、実際にちょっと縫い目にしてみて、長さも自分に合った針を使うといいですね。
針を持っている間、刺しやすく、糸がからまったりしなければ、さらに刺繡の時間が楽しくなります。

 

日本一の産地がつくる伝統の針

外国製の刺繍針も使ったことがあります。
でも、日本にもすばらしい伝統の針がいろいろあります。
いま「フランス刺繍針」はおもに広島の「チューリップ」のものを使っています。
私は手芸の中でも編みものが一番好きで、レース編みのかぎ針をチューリップの編み針に替えたときとてもよかったので、刺繍の針も使ってみようと使い始めました。

針1本の金額を考えると、高いと思われるかもしれません。
でも、長年、針仕事をしてきてわかるのは、作業中ストレスなく、きれいに仕上がって、その上、長く使えれば、結局はお得だということです。

パッケージもかわいいですね。
中の透明なケースは軽く、防錆紙と書かれた紙が入っています。
日本は湿気の多い国ですから、この紙、大事です。

 

針の太さの選び方は?

針の太さをどう選ぶか悩む方も多いようです。
針は糸が通るための穴を開ける案内役です。
刺繍糸が擦れてしまわないで、大きすぎない穴を開けていくのが仕事。
そんなつもりで針の太さを選べば、迷わずに済みますよ。
また、1本どりの場合なら、針穴が小さくてシャープな針先の絹の縫い針も刺繍に使うことができます。


▲フランス刺繡針は、番号が大きくなるほど細くて短くなる。

刺繡で大事だと考えることは人それぞれ違うと思います。私が思うその中のひとつは、「最初に針を数えること」。
針は危ないものということを忘れてはいけませんね。
針が何番か、どの太さかわからなくなったら、長さを測るといいです。
だいたいはパッケージに書かれています。
最初に数えてから始めれば、わからなくはなりませんね。


▲ピンクッションに番号を書いておけば、使うときに迷わない。

 

 

 

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