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立体刺繍で織りなす、美しい花々とアクセサリー

著者:アトリエ Fil

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“眺めたい本”大賞に選びたい、美しすぎる手芸本

読んだ人:下里康子(ライター)

レコードでも本でも、つい“ジャケ買い”をしてしまうたちである。物語を感じさせるような、眺めるだけでうっとりするような、飾れば部屋を引き立ててくれそうな、そんなジャケットに出会えると、なんてことない日が大逆転。その上、中身まで心満たしてくれるものだったならば、私の中の愛蔵版に認定だ。

 

本書は、私にとってまさにそんな1冊。手芸書だけど、眺めたい本、飾りたい本だ。そっと手にとり、わずかに緑がかったシックな黒地に色とりどりの立体刺繍の花々が集められた表紙を愛でる。ページをめくると可憐な少女と作品が現れ、じっと細部まで、飽きもせず見つめてしまう。

 

「イメージの根底は、スペイン独特の静物画『ボデゴン』や、スペインの宮廷画家、ベラスケスの作品です。暗闇からふと浮かび上がるような鮮やかな色彩、静かさ、物憂さを再現したいと思いました」とは、担当編集者。

 

写真に収められた花々は、その香りを思わず想像してしまいそうなほど、精巧でリアル。筆者はすべての作品を本物の生花を見ながら作成し、大きさも原寸に近づけたという。
「たとえば同じコスモスでも、チョコレートコスモスと普通のコスモスの葉の形は異なるので変えています。ラムズイヤー(羊の耳)やフランネルフラワーは葉に和毛が生えているのですが、その質感や色味も再現してもらいました。バラは、花びらのしっとりとしたやわらかさ、微妙な丸み、艶を刺繍糸でいかに再現するかに心を砕いたそうです」

 

そのこだわりを実感すると同時に感じたのは、手芸って自由!ということ。本来、刺繍は、布に糸を通すひと針ひと針の連続ででき上がる、絵画のような平面作品だ。それを切り取り、組み合わせ、立体につくり変えるなんて。どこまでも自由。そんな手芸の奥深い世界に、改めて気づかされたのだった。

概要

まるで本物の花のよう。刺繍が生み出す美しい立体の花々と、おしゃれな小物たちのつくり方。複雑そうな作品もつくり方はシンプルに。

詳細情報

書籍名:立体刺繍で織りなす、美しい花々とアクセサリー

著者:アトリエ Fil

ページ数:96ページ

判型:A5変型判

発売日:2017年6月

定価:1,566円(税込)

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