かぎ針|なめらかなかぎの先と持ちやすい持ち手、編みやすさや疲れにくさまで研究された日本のメーカーの道具なら安心して使えます。

文:安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB)  撮影:天野憲仁(日本文芸社)

両側使える金属製の両かぎ針

秋というと、編みもの!

私が編みものを始めたのは5歳の誕生日だったそうです。縁起物の羽子板だったか、とにかくなにかちょっといいものを買ってもらえるということで出かけたのだとか。

先に、手芸屋さんに寄って、母に並太毛糸を一玉買ってもらったら、もう縁起物などどうでもよくなり、他はなにも要らないと言ったらしいのです。

そこが私の編みものの原点だったんでしょうね。とにかく、それからは母に教わって編み、あとは一人、かぎ針でなにやら編んでいたのだそうですよ。最初はコースターを編んだんですって。

さて、かぎ針と言いますと、昔はアルミだったか、軽い、柄まで金属のものでした。金色っぽくって、両側使えるものでした。4と6号がついているもの,5と7号のでなんでも編んでいた気がします。軽いことはよいものの、金属だけにずっと持っていると指に跡がついてしまいました。でも、よく考えると、両側についているって、1本で2種類、かさばらず、合理的、さらにシンプルでよかったですよね。

そのあと、片方だけにかぎのある、やはり、全体が金属で全種類の入ったセットを買ってもらいました。針の入っていたケースは、昔は塩ビだったのか、寒いと硬くなってすぐに裂けてしまった記憶があります。

5/0をいちばん使ったんでしょうね。色が白っぽくなってます。

 

かぎ針をカスタマイズ

それから、しばらくして、柄だけが木のかぎ針が売られるようになりました。木の柄ですから、金属のよりちょっと太くて、持ちやすかったので、これぞ一生もの!と、全部揃えてしまいました。

でも、やっぱり、長時間編んでいると指に跡がつくし、どうしたものかと思っていたら、子ども向けの学用品にプニュッとした鉛筆を持つとき正しく持つことができる補助のグリップがあることを知りました。

鉛筆を持つためだけのわりと複雑な形のものではなく、シンプルなものでしたので、かぎ針にはめてみました。ちょっと太すぎる気もしましたが、編んでいて快適でした。

でも、色がカラフルすぎまして、何かいい色はないかと思っていると、水性ボールペンが使い終わって捨てる段階でした。ボールペンにはすべり止めが付いているものがあります。替え芯が売られてないものは捨てるしかなく、このすべり止めを捨てるのがもったいなく思えたのです。

そこで、ボールペンから取り外し、かぎ針にはめてみるとなんとぴったり。これで、どの木の柄のかぎ針も快適に編んでいられるかぎ針となりました。


▲2/0、6/0は、市販の鉛筆・ペン用すべり止め、それ以外は、使い終わったボールペンなどのすべり止めのリユース。

その後、柄の部分が平べったく持ちやすいもの、持ったときに指にぴったりフィットするエラストマー樹脂のものなど、いろんなメーカーからでるようになりました。これより先、かぎ針は進化するのだろうか?と思うくらい、使い心地のよいものが手に入るようになりました。

そのようなわけで、今は木の柄のかぎ針をカスタマイズして使っています。

 

日本のメーカーのものはやはり編みやすい

あるとき、本と毛糸とかぎ針がセットになった洋書を買ったのですが、そのかぎ針の、編みにくいこと!

5歳からクロバーのかぎ針しか使ったことがなかったので、編みにくいと思ったことがなかったのです。かぎの形状によって、ここまで編みにくいことがあるとは思っていませんでした。

いろいろ持ち方などを試してみたものの、慣れとかの問題でもないようでした。パッと見ただけではよくわからないんですよ。並べてみると、形状がちょっと違うようです。


▲左端はハマナカ、真ん中の赤いかぎ針が洋書についていたもの。あとの3本はクロバーのもの。

そこで、すべてのサイズのかぎ針があるのにもかかわらず、日本の他のメーカーのかぎ針も試したくなりました。

「ハマナカ」の針を買ってみることにしました。


▲ハマナカのアミアミ両かぎ針ラクラク(5/0-7/0)。

持つところがちょうどいい硬さと形状、色もかわいくてなんだか、持っていると楽しくなっちゃうものでした。もちろん、かぎの形状も編みやすく、すいすい編むことができました。

それから、「チューリップ」のかぎ針。チューリップは広島のメーカーで、縫い針でも有名です。

このメーカーのレース針のセットはだいぶ前から持っていて、かぎの形状も柄の感触もよいのは知っていました。こちらは、わたしのような、探しものばかりしている人には見つけやすい、かわいいピンクのかぎ針、まだ、新しくてぴかぴかですよ。これもまた、編みやすいかぎの形状で、柄のエラストマー樹脂も持った感じがよくて、長時間編んでいても疲れにくいですね。

いろいろと試してみると、長年研究し続けて、新しい製品を開発してくれる日本のメーカーさんのものなら、どれもみんな編みやすいということがわかりました。5歳の私が編みものがおもしろくてたまらなくなっちゃったのも、きっと最初によい道具に巡り会えたからだと思います。

今は100円ショップでなんでも買える時代です。でも、なめらかなかぎの先と持ちやすい持ち手、編みやすさや疲れにくさまで研究され、これほど丁寧につくられている日本のメーカーの道具に勝るとは思えません。

壊れるほどの力のかかる作業をする道具ではないですから、ぜひ、最初はよいかぎ針を1本、揃えてみてはいかがでしょう。

たとえ、100円で買ったものに満足していても、それはほんとの編みやすさに気づいてないだけなのかもしれません。サイズは最初から全部揃える必要はなく、編みたい太さにあったかぎ針を1本からでいいのです。

 

金属製かぎ針の意外な使い道

ところで、あの、金属だけの棒に近いかぎ針はその後どうなったかと言いますと、布ぞうりをつくるとき、かぎ針でひもを引き出したいときがあります。

そんなときは編むときには太い柄のものは、布の間に入っていかれないので、あの、アルミの片かぎ針が大活躍。それ以外はスエードを巻いてカスタマイズしてときどき使っています。

 

かぎ針に似ているダブルアフガン針

クロバーのダブルアフガン針というのがあります。これは、棒針のように長い棒の先の片方だけかぎ針がついているもの。

途中くびれもなく両側に同じサイズのかぎ針がついているのがダブルアフガン針です。これはかぎ針と重なるサイズのものがあり、普通のかぎ針として代用したりもしています。

やはり、これもかぎ針として持つのに持ちにくい場合は、グリップを付けて使ったりしています。

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