AJBジュエリーバッグ®協会代表・三浦紀子さん(後編)|つくるときも、装うときも。軽やかに取り入れられる、大人スタイルのジュエリーバッグ

AJBジュエリーバッグ®協会代表・三浦紀子さん(後編)|つくるときも、装うときも。軽やかに取り入れられる、大人スタイルのジュエリーバッグ

『ジュエリーバッグ GOLD&SILVERで作る大人スタイル』の出版に合わせ、AJBジュエリーバッグ®協会代表・三浦紀子さんにお話を伺ったインタビュー。前編では、ジュエリーバッグを生み出した経緯や「つくること」に対する三浦さんの思いについて伺いました。後編では、ファッションとしてのジュエリーバッグの楽しみ方や、バッグ以外にも広がるバリエーションについて、お届けします。

撮影:シロクマフォート 取材・文:酒井絢子

ファッションの自由度も上がる、自分だけバッグ

『ジュエリーバッグ GOLD&SILVERで作る大人スタイル』では、自らが選んだ服を着こなし、ジュエリーバッグとのコーディネートを写真で提案している三浦さん。ジュエリーバッグをつくるようになってから、ファッションの幅が広がったと言います。

「自分の好きなファッションに合わせてバッグをつくることができるので、服を選ぶ自由度が上がりましたね」

本に掲載されているバッグは、洋服とのコーディネートを重要視。そのため、実際に使いやすいようにテープヤーンの色も1色か2色に絞り込んでいるそう。

「シンプルでありながら華やかさがあるものが大好きなので、シルバー1色のバッグもお気に入り。同色の素材違いを組み合わせることで、柔らかな印象に仕上げているゴールドのバッグも好きですね」

▲ハマナカ「ロマーレ」のシルバー1色で仕上げた「ショルダーバッグ」。1色でも大きめの柄にすることで編地にニュアンスが生まれ、洗練された印象に。

使用しているテープは主にハマナカの「ロマーレ」から選んだゴールド、シルバー、黒、白の4色。色を限定したことで、読者が実際に作る際に材料を揃えやすいのも魅力です。

 

服に合うバッグがなければ、つくればいい

服はつくることが難しくても、ジュエリーバッグならば本を見ながらでも気軽につくることができます。「合うものがなければ、つくればいい」と思えることで、よりファッションを楽しめるようになるのかもしれません。

「手づくりバッグ」という言葉から浮かぶようなイメージのものには魅かれることがなかったという三浦さんが、「自分でつくろう!」と思うのはジュエリーバッグだからこそ。気軽に完成度の高いものをつくることができて、エッジィな着こなしにも主役級に取り入れることができるジュエリーバッグは、三浦さんご自身のファッション観にも大きく影響しているようです。

▲本のページをめくるのが楽しみになりそうな、きらめく「ブックカバー&ブックマーク」。サイズを調整すれば、手帳カバーにもなる。留め金の部分が必要ない場合は省いても。

「キラキラしたものが好きでも、普段使いは難しいかな…と感じる人には、小物で取り入れてみて欲しい」と三浦さん。『ジュエリーバッグ GOLD&SILVERで作る大人スタイル』には、バッグ以外にも、小物入れになるボックスやブックカバー、カードホルダーなども掲載されています。

▲カードポケットが4つと、少し大きめのポケットが2つついた「カードホルダー」。ポケット無しにして懐紙入れにしてもよい。また、口金の色をシルバーやゴールドに変えるだけでも印象がガラリと変わる。

 

手芸ビギナーにこそ知ってもらいたい

「ハンドメイドや手芸の世界は古くからありますし、すごく素敵なことだなとは思っていたんですけれど、私には全くと言っていいほど縁がなくて。だからこそ、つくることの面白さや気持ちよさを、若い人や手づくりに興味がない人にも伝えていきたいんです」

ファッションとハンドクラフトを繋ぐような存在になり得るジュエリーバッグ。テープヤーンなど主要な材料は手芸店で購入できるけれど、三浦さんは、いわゆる手芸店が与えている素朴な印象を刷新できたら、と思うこともあるそう。

「キラッキラの内装で(笑)、ターゲットを思いっきり新規の層に向けた手芸店を経営できたらいいな、なんて考えたりもしています」

▲個性が引き立つラウンド型のフラットバッグ。マチなしタイプなので、比較的簡単につくることができる。「持ち手はレザーテープを使用しているので、季節を問わず持ちやすいと思います」

「趣味を探している人や、空いた時間を有効に活用したいと考えている人も、ジュエリーバッグに興味を持ってもらえたら」と三浦さん。もちろん、つくることの楽しみをすでに知っている人ともジュエリーバッグの魅力を共有したいと言います。

「『ジュエリーバッグ GOLD&SILVERで作る大人スタイル』がそのきっかけになってくれれば嬉しいですね」

 

既存の枠組みに囚われず、自由な発想で

書籍だけでなく、インスタグラムなどでもファッショナブルに発信を続ける三浦さんに、どんなときにデザインやアイデアが浮かぶかを伺うと、意外な答えが。

「街の中でひらめくこともありますし、ホームセンターにあるプロ向けの売り場でひらめくことも多いんですよ(笑)。ネジとか配管の筒とか、これは一体何に使うのだろう……と想像しているときにバッグの細かなアイデアが浮かんできたりするんです。また普段の生活でも、常にアイデアやデザインを模索しながら生きているので、バッグに関係ないようなところで思わぬヒントが見つかることも」

▲ハマナカ「チューブベリー」と「ロマーレ」を組み合わせた「リングハンドルトートバッグ」。掲載レシピでは「ロマーレ」の方が配分が多いが、「チューブベリー」を多めにすると、柔らかいイメージに仕上がるそう。

当たり前の枠組みに囚われることなく、自身が刺激を受けたものを自由に表現に取り入れていく三浦さん。お話を聞けば聞くほど、「自分でつくる」ということのさらなる可能性を感じさせられました。

ジュエリーバッグのパイオニアとしてだけでなく、既存の世界観に新しい風を吹かせ、多くの人の視野を広げていってくれることは間違いなさそうです。

※「ジュエリーバッグ」は、AJBジュエリーバッグ®協会の登録商標です。

 

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