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第3回 まつり縫い(前編)|裾のほつれを繕ったり、まつり縫いができれば、暮らしのなかで役立つことが結構あります。

「大人の家庭科」お裁縫編、第3回は「まつり縫い」についてのお話です。

文:安田由美子(針仕事研究家 NEEDLEWORK LAB)  撮影:天野憲仁(日本文芸社)

ボトムスの裾などがほつれてしまったりすることは、誰にでも経験があるのではないでしょうか。脚との摩擦や何かに引っかけて力がかかったりしてほどけることが多い場所です。工場でつくられる服の裾は「すくい縫いミシン」という専用のミシンで縫うことが多く、これは1本の糸で縫われていて、少しほどけると一気にほどけてしまうのです。

ほつれた箇所をボンドでとめちゃう、アイロンを使ってテープで貼っちゃう、というやり方もあります。でも、糸だったら、布が硬くなりませんし、材料は糸だけで済みます。運針が基本とはいいますが、運針はできなくてもまつり縫いができれば暮らしの中でけっこう役に立つのではないでしょうか?

 

まつり縫いの針と指ぬき

第1回めで「指ぬき」の話をしましたが、まつり縫いのときは、運針のときのように中指をぐっと曲げなくても、中指の腹で押してもスムーズに縫えます。このときに指の先を保護する指ぬきを使います。針は、運針より少し長めを使うと楽ですね。もちろん慣れていれば、輪の指ぬきを普通にはめても、先にはめるだけでも、あるいはシンブルでも、自分の使いやすいものでよいでしょう。


▲中指で押すのがよいときはシンブルが便利。

 

普通まつり

 まつり縫いにはいくつか種類がありますが、基本となるのは「普通まつり」です。三つ折りした折り山をすくったら、その位置で表布の裏をすくいます。折り山から出た糸はすぐ上をすくうので糸が縦に並び、縦まつりともいわれています。しっかり止まる縫い方です。

普通まつりの方法

わかりやすく赤の手縫い糸で普通まつりをしたところです。

普通まつりの表に見える針目はこんな感じです。

 

流しまつり

 普通まつりがすぐ向こうの表布の裏をすくうのに対して、まつっていく方向の少し先の表布の裏をすくうのが「流しまつり」です。やわらかい素材や、縫い代に動く余裕を持たせてかがるときに使われます。ななめにすくうことで、接している部分をすくう普通まつりに比べて糸が斜めに渡っています。

わかりやすく赤の縫い糸で流しまつりをしたところ。

流しまつりの表に見える針目はこんな感じです。表に見える針目は、普通まつりと変わりません。

普通まつりと流しまつり、わかりましたでしょうか? 後編では美しく仕上がるまつり縫いについてお話しします。

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