更新日: 2019/11/03
藤原連太郎さん、Shabomaniac!さん監修の『珍奇植物 ビザールプランツと生きる』より、世界が愛してやまない不思議な植物たちをご紹介します。
基部が太る円柱状の幹は、びっしりと長い刺に覆われる。高さは1〜3m、最大で5mに達し、古木では少数の枝を出す。細長く波打つ葉を、幹の先端にだけ茂らせる。葉はブルーがかった明るいグリーンで、微毛に覆われている。花は冬に咲き、長さ4〜5cmの筒型で外側は薄い黄色、花弁の先端が小豆色に染まる。自生地はナミビア南端付近から北ケープ州北西部で、冬に雨が降り、しばしば濃い霧が発生する地域。標高240〜1060mの岩の多い斜面に生え、岩山に人が立つ様に見えることから、“halfmens(半人)”という愛称もある。日本での栽培では冬型として扱うが、夏に新葉が出て、冬を越えて翌年の春に開花・落葉するまでの長い期間、十分な日射と適度な灌水があれば動き続ける。最も元気が良いのは秋から冬で、春から夏が休眠期ということになる。ただ、冬に摂氏10度前後が保てないと落葉し、成長も止まって開花しないことが多い。こうしたサイクルを理解すれば、丈夫で栽培しやすい植物。写真の株は、種子から約20年育成したもので、高さ50cmほど。
“多肉植物”ブームの中、今世界中から注目を集めているのが、塊根植物やディッキアなど“珍奇植物”と言われる見た目が変わった植物たち。盆栽のような見た目、デザイン・アート性に優れたその特徴は、インテリアとして部屋によくなじみ、写真映えも◎。
本書は、独特な特徴や育て方、自生地を詳細解説するとともに、今回、まだどこにも載っていない、北アメリカ、南アフリカ、オセアニアなどのレアな珍奇植物もたくさん掲載している完全保存版!
【書誌情報】
『珍奇植物 ビザールプランツと生きる』
珍奇植物と言われる、姿形に特徴があり、その生態も非常に個性的な植物たちがいま注目されています。その変わった植物たちの特性や自生地の環境など、共に珍奇植物たちと暮らしていくための他にはないヒントがたくさん詰まった実用書です。
藤原連太郎
新しい価値を提供する園芸用品と植物のショップTOKYの代表兼ディレクター。植物好きが昂じて2014年に同店のネットショップを立ち上げ、2016年には東京日本橋に実店舗をオープン。作家物やセレクトの植木鉢のほか、自社オリジナルアイテムも多数手がけている。
Shabomaniac!
幼少よりシャボテン・多肉植物に惹かれ、栽培歴40年の園芸研究家。幅広く様々な科、属の植物を育て、栽培困難種の実生や、新種の輸入にも早くから取り組んだ第一人者。自生地を度々巡り、開設から10年を迎えるブログには実体験に基づく栽培法と、自ら長期間育成した美しい植物の写真が並ぶ。