更新日: 2018/05/18
スマートフォンでの写真の撮り方についてときどきワークショップを開いているというameさん。今回は「ささっと自分の“好き”を写真に納めるコツ」についてのお話です。
撮影&スタイリング、文:ame(amelabo)
5月、新緑が眩しくて1年でもっとも好きな月です。
いかがお過ごしですか?
先月の第4話ではオリジナルのカードつくりについて書きましたが、今月はそのちょっと続きのような感じで、写真についてお話ししたいと思います。
先月、あなたの字はあなたにしか書けない、と書きましたが、それは写真も同じ。あなたの写真はあなたの視線そのもの。
私はときどきスマートフォンでの撮影についてのワークショップをしています。それはうまく撮れるように、とか、写真映えするように、というのではなく、自分らしい写真を素早く撮れるように、という内容。いろんな素敵な場所でそれぞれの時間を記録しながらワークショップをしています。
これは昨年行った、カリグラファーのヴェロニカさんと一緒に開催したワークショップのときの写真です。
第3話では、自分の場所に撮影スポットをつくり、じっくり撮り続けることで、自分の「好き」の理由に気づける、ということを書きました。
外でスマートフォンを使って撮るときは、基本的にその「真逆」だと思っています。特に他の誰かと過ごしているとき、大切な場所を訪れるときは。
ずっと憧れていたレストランに行ったとき、お店に入ると外の緑が映って、本当に綺麗でした。あまりにも綺麗で本当はいろんな角度から撮りたかったのですが、その気持ちを抑えて1枚撮った写真。
食事が始まる前のこの静かな景色の写真はこれだけ。でもだからこそ余計に、この写真を見るとあのときのドキドキした気持ちと楽しい時間がよみがえるような気がします。
この写真は外国の友達を案内していたときのもの。通りすがりに素敵な建物を見つけてしまいました。
私はまた行くことができる場所とはいえ、撮っておきたい気持ちを止められず。でも目的地までの途中だったので、急いで、でも慎重に撮った1枚です。
そしてちょっと待ってて!と言って撮りにいった私を友達が撮ってくれていました(笑)。
できるかぎり少ない枚数で手早くささっと自分の「好き」を写真に納めたあとは、もうカメラやスマートフォンは仕舞って、しっかりその時間を楽しむことが大切だと思います。
写真に夢中になりすぎて、あとから思い返したら記憶が曖昧だったことはありませんか?
おいしいタイミングを逃したり、せっかく約束して会った相手が置いてけぼりを食らっていることはありませんか?
私は、どれもあります。
もったいなかったなあ、と心から後悔して、そういう大切なときは数枚しか撮りません。自分の記憶に勝る経験はないから、写真なんかなくてもいい!と言いたいところですが、やはり写真も撮りたい(笑)。撮影不可でない場所ならば、スマートかつエレガントに記憶に残したい景色を素早く写真に納めたいと思っています。
素早く記憶を記録するにはコツがあると思います。私がワークショップでいつもお伝えしているのはこの3つ。
撮りたいものを真正面から捉えること。
縦もしくは横の線をしっかり揃えること。
シャッターを押す前に3秒間、画面の四隅を確認すること。
この3つのポイントに気を配ると、写真がぐっと引き締まります。そしてたくさんの枚数を撮らなくてもよくなります。ぜひ試してみてください。
真上から撮るときも、横から撮るときも、まずは撮りたいものを真正面に捉えましょう。ついつい斜めから撮ってしまったりしますが、実は真正面から撮るのは手早く綺麗に撮るコツのひとつです。
手を伸ばしてスマートフォンだけを持っていくのではなく、体全体の前に持ってくるのがコツ!
画面に縦の線と横の線がいっぱいある景色を撮るときは、どちらか、もしくは全部をしっかり揃えてみましょう。
意外に難しいことに気づきます。どうして縦の線や横の線が歪んでしまうのかは、後編でお話しするので、いろいろ試してみてください。
慌てて撮ると、お手ふきや伝票やメニュー、お友達の持ち物などが画面の端に入っていることがあります。
シャッターを押す間にほんの3秒でいいので、四隅をチェックしてみてください。改めて気をつけてみると、いろいろと気づくことがあると思います。
後編では、写真の撮り方の具体例についてお話しします。今回、お伝えした3つのヒント、どういうこと?と思われるかもですが、少し実践していただいてから後編を読んでいただくと、すとんと、落ちるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。
ame(amelabo)
日常を独特のセンスで切り取ったインスタグラムでの投稿が人気のインスタグラマー。現在、フォロワー数は4万人以上。学生時代から続けている趣味の写真とamegraphy(アメグラフィー)と言われる手書き文字やイラストを駆使し、カレンダーやプロダクトを手がける。写真や文字のワークショップや個展、百貨店カタログやイベントのディレクターなど、多岐に渡ってクリエイティブな活動をしている。本業は歯科医師。
インスタグラム:@amelabo
ホームページ:http://now-here.petit.cc
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