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二十四節気 暦のレシピ 第9話 立秋|食欲なくてもさらさらいける!茄子と梅干しの冷やし茶漬け

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8月8日から8月22日までが立秋(りっしゅう)。今回の暦のレシピは、茄子と梅干しの冷やし茶漬けです。

制作・文:猪飼牧子 撮影:清水美由紀

8月8日より二十四節気は立秋となりました。ですが、太陽の光が照りつける昼間の気温はうだるほどに暑く、夜になっても気温が下がらないこの時季、秋の始まりとはなかなか思いがたく、小さな季節の変化を見逃しがち。

 

太陽の光をたっぷり浴びた茄子

厳しい残暑は身体にとってはこたえるもの。長く続く暑さは体力を奪い、食欲も落ちてしまいます。こういうときこそ旬のものを食べておきたいですよね。

この時季、旬のものは色々ありますが、太陽をしっかり浴びて、つるりと光った茄子は食べる機会も多いのではないでしょうか。奈良時代から育てられてきた茄子は日本人にとってとてもなじみ深い野菜。一富士、二鷹、三茄子ともいわれ、縁起の良い野菜としても知られています。

今回はこの太陽の光を象徴するような、色よい茄子を使った冷やし茶漬けを紹介します。食欲がなくてもさらさらと食べやすく、しかも簡単につくれるレシピです。

 

茄子と梅干しの冷やし茶漬け

水分が多く、身体の熱を取ってくれる茄子はこの時季とても重宝します。また梅干しは酸味によって身体の代謝を促し、疲れの回復を助けてくれ、汗と共に出て行ってしまう塩分を同時に補給できます。

用意する材料(2人分) 

(写真上から)

だし汁…1.5カップ
茄子…中くらいを1本
バジル…お好みで10枚ほど
冷やご飯…260g
鰹節…お好みでひとつかみほど
梅干し…大1個、小2個
薄口醤油…小さじ1/4弱

つくり方
1.バジルは千切りにする。茄子は皮をむきやすくするため、へたの周り一周と、縦にいくつか切れ目を入れて魚焼きグリルで皮が黒くなるまで丸焼きにする。

2.鍋にだし汁と梅干しを入れる。

3.梅干しを木べらでつぶしながら1〜2分ほど弱火で煮る。

4.薄口醤油を鍋に加え、濃いめのお吸い物くらいの味つけにする。味見をして味が薄いようなら好みの濃さまで薄口醤油を足す。

5.梅干しを茶こしで濾す。透き通った汁にするため、2度漉す。

6.濾した汁を氷水を入れたボウルで冷やす。

7.焼き上がった茄子の皮を切れ目に沿ってむく。

8.皮をむいた茄子は手で1cm弱くらいの細さに裂く。

9.冷やご飯を流水で洗って水を切ってから茶碗によそり、6の冷えた汁をかけ、茄子を盛る。

10.茄子の上に鰹節をのせ、お好みで醤油(分量外)をかける。

11.小梅を入れ、鰹節の上にバジルを盛ってでき上がり。5で漉した梅干しをのせてもよい。

今回は少し洋風にバジルをのせましたが、もちろんシソでも美味しいです。また、ご飯の代わりにそうめんや冷や麦など麺類でも相性が良いですよ。梅干し味のだし汁はそれだけでもさっぱりと美味しいので、炭水化物のご飯をなくして茄子を多めにすれば副菜としても活躍するのでとても便利です。

だし汁さえ用意すれば調理時間は10分ほど。とても簡単なので、残暑が厳しい時季のレシピにぜひ加えてみてください。

 

暑い中にもふと気づく、秋の気配

暑い暑いと逃げるように涼しい部屋へ逃げ込む前に、少しあたりを見渡してみたら、夕暮れ時に見上げた空の色はだんだんと穏やかな赤みを増し、トンボが群れをなし、カナカナカナ、とヒグラシが鳴いていました。

夏休みも半ばを過ぎるとなんとなく切なさを覚えた子どもの頃。その記憶を辿ると、折々の季節の変化も一緒に思い出されます。大人になり、慌ただしい毎日を過ごしていると、目の前の「暑い」という事実だけに捕らわれ、細やかな変化を見逃しがちです。暑い暑い、という前に少しだけ自然に目を向けて。秋の気配が、ほら、すぐそばまで来ています!

 

つくりら編集部よりお知らせ

NEROLIDOLの猪飼牧子さんとフォトグラファーの清水美由紀さんの連載、「二十四節気 暦のレシピ」は、大幅な新規取材を加えて、書籍『二十四節気 暦のレシピ』としてみなさまにお届けします。

 

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