二十四節気 暦のレシピ 第1話 清明|春の景色をお部屋に運んでくれる、草花のテーブルリース

日本には春夏秋冬という四季があります。この4つの季節をさらにそれぞれ6つに分けたものが「二十四節気」(にじゅうしせっき)です。この「二十四節気 暦のレシピ」シリーズでは、24の季節ごとに、お料理、フラワーアレンジ、アクセサリー、暮らしの小物など、さまざまな手仕事のレシピをご紹介していきます。

撮影:清水美由紀  文:猪飼牧子(NEROLIDOL)、清水美由紀

「二十四節気」は1年を24に分けた季節のこと。この言葉はあまりなじみがなくても、春分、夏至、秋分、冬至といった言葉は聞いたことがありますよね。

 

すべてのものが輝きを増す季節「清明」

4月5日より、二十四節気の清明(せいめい)です。清明という節は、天も地も、全てのものが生き生きと輝きを増す時季。この言葉を聞くだけで、さまざまな生命が明るく、きらきらと成長していく、そんな様子が目に浮かぶよう。


▲道端でよく見かけるホトケノザやナズナ。

普段通りの見慣れた道も、上を見上げれば、サクラが美しく咲き誇り、その脇ではユキヤナギが白い絨毯のように光を浴びています。地面に近づいてみると、ナズナやホトケノザ、タンポポ、オオイヌノフグリを発見。なんと小さな野草たちがコンクリートの隙間から顔をのぞかせているのです。

もともと野原に生えているような草花がとても好きな私にとって、この季節は外を歩くだけで心躍る天国のような至福の時間。

 

都会でも楽しめる小さな春「草花のテーブルリース」

季節や動植物の変化を感じながら、自然と共に生きていく。緑豊かな地で感じることができれば言うことなしですが、都会暮らしとなるとなかなか難しいもの。そこで考えたのが、春の野原で摘み取ってきたかのような草花のテーブルリース。リビングやダイニングなど、日々過ごす空間にこんなリースがあったらホッと心がゆるみますよね。草花に触れるたびに、春の空気が感じられます。

 

草花のテーブルリースのつくり方

リング型のフローラルフォームを使った、テーブルに置いて楽しめるリースです。

今回使用した植物は、どれも派手さはあまりなく、楚々とした表情です。ゼンマイやワラビ、コゴミのような山菜を入れることで、自然の中で自生しているかのような雰囲気になります。


▲上段・左から、ワラビ、姫ゼンマイ、ホトケノザ、マーガレット、ニゲラ、ビオラ、グリーンベル、ヤマブキ、ハマダイコン、アジアンタム。下段・左から、ブプレニウム、ユキヤナギ、マム、コゴミ、ユーカリ、ラナンキュラス、タラスピオファリム、サクラの若葉、リューココリネ、バイモユリ、マメの花。

用意するものは、直径20㎝のリング型フローラルフォーム、カッター ハサミです。

1 フローラルフォームの角をカッターで面取りしてから、吸水させます。

面取りをしたほうが花を挿す面が増えます。吸水するときは、無理に沈めず、ゆっくりと自然に浸るように水に入れます。

2 ベースになるグリーンをフォームに挿していきます。

ブプレニウム、豆の花、アジアンタム、ユーカリなど、ベースになるグリーンをまんべんなくフォームに挿します。フォームが隠れるように側面に挿すのも忘れずに。挿す花の量に対してフォームの面積が小さいため、ベースとなるグリーンは、フォームの中で茎が交差したり、ぶつかったりしないよう、なるべく同じ流れで挿していきます。

3 大きめの花をバランスよく挿していきます。

ラナンキュラスは2輪固めて、まっすぐ前を向かぬよう少し傾けて挿し、マムとマーガレットなどは一箇所に固まりすぎないように全体に分散させます。

4 残りの小花を挿します。

残りの小花の中でも、茎が柔らかめのものから隙間を埋めるように刺していきます。このとき、植物が群生している様子を表現するように、繊細な蕾やひょろっとした草花は背を高めにし、高低差を出して立体感を。

 

清水美由紀の撮影ノート

桜が咲き、ポッと色めく風景の中で、きっともう少女しか目に留めないような小さないじらしい草花たち。今回、猪飼さんがつくってくれたテーブルリースは、健気で純粋な少女の頃を想起させ、春の景色をお部屋に運んでくれました。

ナズナにホトケノザ。幼い頃、まだ柔らかなナズナの花を摘んで花束にしたり、ホトケノザの蜜を吸ってほのかな甘さを味わったりした記憶があります。清明という節の頃、それまで眠っていたような大地や空気の中に、小さな小さな命の粒の気配を感じることがあります。その粒たちは、これでもかと強く命を燃やし、花となり、風となるのです。

 

おすすめコラム