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第9回 アイロンの種類とかけ方(後編)|綿や麻なら、スチームアイロンよりも霧吹きしてドライアイロンをかけるほうが、シワがきれいに伸びます。

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前編ではさまざまなアイロンの種類と特徴を紹介しました。後編では、アイロンのかけ方についてお話しします。

文:安田由美子(針仕事研究家 NEEDLEWORK LAB) 撮影:天野憲仁(日本文芸社)

ドラマなどでアイロンをかけているシーンでは、アイロンをちょこちょこ動かしていることが多いように思います。実際アイロンをかける場合は、1回なでて終わらせるようなつもりで、ゆっくりと動かすことできれいにかけることができます。

 

霧吹き+ドライアイロンで、シワがきれいに伸びる

職業用のバキュームアイロンはパワフルで、スチームを使いながら蒸気を吸い取ることでしっかりかけられます。家庭で綿や麻にアイロンをかける場合は、スチームを使うよりは、まず霧を吹いてからしばらく置き、ドライの表示でアイロンをかけます。湿気がたまりがちな家庭用のアイロン台でスチームアイロンを使うより、シワがきれいに伸びます。

ウールの場合にはスチームを使います。セーターなどふんわりしたものはアイロンを浮かせた状態でつぶさないようにします。

打ち込みがしっかりしたウールなどを仕立てる場合、たとえば、縫い代を割るような場合は、スチームを利かせるのではなく、縫い代だけに水分を与え、重いドライアイロンで、ある程度の高い温度と水分を与えて短時間でプレスして仕立てていきます。水分が残っていると戻ってしまいますから、押さえ板のような道具を使って縫い代を落ち着かせる事がきっちり仕立てる大事なコツです。押さえ板などは高価なので、袖万などで代用することもできます。

ウール地の縫い代をしっかり割る 

化学繊維などは、高温では溶けてしまうこともあるので、特に温度に気をつけます。

 

縫い代のプレスにはアイロン定規を使う

縫い代などを折り上げる場合など、アイロン定規を使うと幅が揃います。はがきやストッキングの台紙程度の厚さの紙に油性ペンで線を引いて利用するのもよいでしょう。直線の三つ折りのときは、折る幅に切った厚紙をくるむようにして折るので簡単です。


▲上は市販のプレス定規。下は紙でつくったアイロン定規。

(動画 0927)アイロン定規の使い方

 

アイロンをかけるときに注意すること

アイロンは熱くしてからかけ始めるまで、専用の台の上に載せるものと、立てておくものがあります。この、立てておく方をうっかり、アイロンマットの上で熱い面を下にして置きっぱなしにするとアイロンマットが焦げてしまいます。面倒でもこまめに立てて置くことが大事です。

熱効率のよいアルミコートの生地を貼ったアイロンマットは、アイロンの熱を反射することで熱を逃がさずにアイロンがけができます。ただし、ゆっくりやっていると熱が逃げない分高温になって焦げてしまうこともあります。少し低い温度でかけるなど注意が必要です。

 

ボタンまわりを上手にアイロンがけするには?

ボタン部分をかけるときは、アイロンが沈むほど柔らかいアイロンマットでは作業しにくいですし、硬すぎてもボタンが浮き出てしまって使いにくいですね。ボタンの厚みだけ沈み、かける面は平らにするには、柔らかめのアイロン台を使うといいでしょう。硬めのアイロン台の場合は、アイロン台の上にタオルを敷き、ボタンの面を裏にしてかけると、柔らかい台と同じようにかけることができます。

 

スチームに使う水は純水を使うとよい

スチームに水道水を使う場合、長い間使っていると白い粉のようなものが出てくることがあります。これは水道水に含まれる不純物などが結晶化したものです。電気ポットなどでも見かけることがあります。日本の水は軟水ですが、それでも不純物があり、できれば、軟水装置でろ過した水だと問題なく使えます。

近頃では、ほとんど不純物を含まない純水がスーパーなどで買えたり、サービスでもらえたりするところもあります。ドライアイロンのときに使う霧吹きの水は水道水で十分です。


▲左:精製水、右:純粋2リットルペットボトル。

 

アイロンについた汚れはクリーナーで取る

アイロンも手入れが大事です。まず、糊や接着芯などがついてしまうと焦げます。ついてしまったら早めに取り除きましょう。なかなか取れない場合はアイロンクリーナーを使ってきれいにします。

スチームアイロンでは、スチームの出る穴に繊維くずがたまることがあります。ここにたまっている繊維くずはアイロンの熱によって黒くなっていることがあり、スチームを使った際に布について布を汚してしまうことがあります。気がついたら、こまめに取り除くようにします。あまりスチームを使わない場合も、ときどきはスチームの機能を使って、ほこりがたまらないようにしておきましょう。

 

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