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第4回 刺繍の基本|まずは基本のステッチを覚えよう(1)

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文:刺繍パパアトリエ鳥屋、ステッチサンプラー制作:脇田美加(JACA 日本アートクラフト協会) 撮影:天野憲仁(日本文芸社)、文:つくりら編集部

代表的なステッチをマスターしよう 

刺繍をはじめるにあたり、ステッチを覚えることはとても大切で基本的な作業ですが、ステッチを覚えればさまざまな図案をたのしむことができますし、さらに作品を立体的に表現することもできます。

初心者の方は、まずはよく使うステッチを練習することをおすすめします。詳しいステッチのやり方は記事内でご紹介していきます。

ステッチの種類
○ランニング・ステッチ
○バック・ステッチ
○アウトライン・ステッチ
○チェーン・ステッチ
○フレンチ・ノット
○ロング・アンド・ショート・ステッチ
○サテン・ステッチ
○ブランケット・ステッチ

基本のステッチをマスターできたら、刺繍のたのしみがもっと広がるはずです。

 

ランニング・ステッチ


▲『刺しゅうの基礎』(安田由美子著)より

数多くあるステッチの中でも、とくに基本となる「ランニング・ステッチ」。学校の家庭科で習った「なみ縫い」とよく似ています。

刺しはじめは布の裏面から表に針を出します。ランニング・ステッチは線幅を揃えることがきれいにみせるポイントです。2~3mmの等間隔で刺すと、とてもうつくしく仕上がります。針目が曲がってしまう場合はチャコペンで直線を引き、その上をなぞるように刺すと、まっすぐ刺しすすめることができます。

▲『刺しゅうの基礎』(安田由美子著)より
アトリエ鳥屋
刺繍図案そのものよりも、枠になったり模様になったり、可愛いらしい雰囲気を演出できるのがステッチです。表に出る長さと、針を上から入れる方向を均一にするときれいに刺すことができます。ランニング・ステッチは、くるみぼたんの仕立ての最後に使うこともあります。このときも長さをきちんと揃えることで、できあがりのシワがなくなります。

 

バック・ステッチ

▲『刺しゅうの基礎』(安田由美子著)より

バック・ステッチも基本のステッチのひとつです。針を刺した位置からひと目うしろに戻り、前に針を出し、同じ間隔で刺しすすめていきます。うしろにバックすることからバック・ステッチといい、要領を覚えてしまえばサクサクと刺せるようになるので、練習をかさねることをおすすめします。

▲『刺しゅうの基礎』(安田由美子著)より
アトリエ鳥屋
バック・ステッチは直線を表現するのにぴったりのステッチです。並ばせて面を埋めると、独特な味がでます。ランニング・ステッチと同じように、方向と長さを均一にすると可愛らしさも表現することができます。細かな調節もできるので、文字刺繍にも最適ですよ。

 

アウトライン・ステッチ


▲『刺しゅうの基礎』(安田由美子著)より

アウトライン・ステッチは、輪郭線や立体感のあるデザインを刺すときに使います。刺しはじめは布の裏から表に針を出し、糸を引き出します。すすみたい方向に針を刺し、半目戻った位置から針を出します。このときに、裏にある玉結びに針を刺してしまわないように注意しましょう。

2目めからは、出した針目からひと針分先に針を刺し、半目戻ったところのステッチと同じ穴から針を出します。これを繰り返し、刺しすすめていきます。ステッチが少し斜めにかさなっていくイメージで、針目をやや小さくするときれいな仕上がりになります。

▲『刺しゅうの基礎』(安田由美子著)より
アトリエ鳥屋
アウトライン・ステッチがきれいにできると、線画や縁取りの仕上がりが美しくなります。針を表に出すとき、余り糸を上に向けるか下に向けるかを決めてしまったほうが、ロープのようにきれいな模様ができあがります。図案によって余り糸の向きを使い分けてみてください。

刺繍パパ アトリエ鳥屋
Instagram:@atelier_toya_embroidery

つくりら
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Twitter:@tsukurira0714

【書誌情報】
『刺しゅうの基礎』
安田由美子 著

初心者はもちろん、刺繍をする人にこそオススメです!
コンパクトなのに、刺しゅうの基礎はもれなく入っています。最も一般的な欧風刺しゅう(自由刺しゅう)のステッチはもちろん、クロスステッチ、リボン刺しゅう、ビーズ刺しゅう、アップリケまで。
思わず刺してみたくなる、素敵なサンプラーも多数紹介。初心者の方はもちろん、ふだんから刺しゅうをしている人こそ、手元に置いておくには最適な一冊です。

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