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刺しゅうの基礎

著者:安田由美子

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基礎はもちろん、刺繍の知識やコツについても奥深い!

庄司靖子(編集者)

ここ数年、刺繍が注目されている。自由刺繍、クロス・ステッチ、ビーズ刺繍など、種類も様々。この機会に刺繍を始めたい、もしくは、もっと刺繍の技術を身につけたい、という方には、ぜひ『はじめてでもきれいに刺せる 刺しゅうの基礎』をお勧めしたい。

 

著者の安田由美子さんは、文化服装学院で洋裁を教えていたという経歴の持ち主で、刺繍だけでなく、手芸全般に幅広い知識を持ち、海外の手芸本にも精通している針仕事研究家。その豊富な知識と経験をふんだんに取り入れたのが本書だ。

 

「安田先生は、刺繍について尋ねると、海外の文献なども調べて詳しく解説してくれます。ほかの本と比べると、海外で一般的な方法をご存じの方ならではの解説があるかもしれません」とは担当編集者の言葉。

 

ステッチの種類や刺し方の説明が詳しく載っているのはもちろんだが、本書のすごいところは、基礎本とうたいながら、かなり奥深く丁寧に刺繍の知識やコツについての解説が掲載されていること。例えば布目の整え方、接着芯の貼り方、糸の撚り、あると便利な道具など、刺繍以外の手芸にも通用する話が盛りだくさん。おもしろいのは、ところどころに登場する「教えて、安田先生!」というQ&Aだ。布にキズを見つけてしまった、布が小さくて枠にはめられない、など、刺繍していてぶつかる問題や疑問が投げかけられ、安田さんが解決策を提案してくれる。このコラムを読んでいるだけでも、なるほど、と目からうろこが落ちた気分になる。

 

また、基礎本といえば大型本を連想するがこの本はコンパクトな判型なのも特徴だ。持ち歩くこともできて、見たいときにすぐ見られるのも嬉しい。

 

安田さんは「刺繍に慣れている方も初めて挑戦する方も、いつもこの本を道具のそばに置いて、わからないときに調べたり、気づいたことを書き込んだりしながらご自分だけの教科書にしていただけたらと思います」という。刺繍に限らず、手芸の手法はひとつだけではない。本書は基礎を身につけるだけでなく、自分にとってやりやすい方法を見つけるための一冊になることと思う。

概要

基本的なステッチから、リボン刺しゅう、ビーズ刺しゅう、アップリケまで詳しく解説。初心者はもちろん、いつも刺繍をする人に。

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