更新日: 2020/12/20
制作・文:猪飼牧子 撮影:清水美由紀 文・つくりら編集部
明日12月21日から二十四節気は冬至です。
冬至の初日は一年でもっとも夜の時間が長い日です。寒さの本番はこれから。冬の季節はまだまだ続くと感じる時季でもありますが、この初日を境に少しずつ昼の時間が伸びると思うと、寒い冬の次には必ず春が来るということを思い出させてくれます。
冬至には、厄払いのためユズ湯に入ったり、縁起を担ぐためにカボチャを食べたりする習慣が有名です。特に、明るい黄色のユズが爽やかな香りを漂わせながら湯ぶねに浮いている様子は、見るだけでわくわくします。
ユズはミカン科ミカン属。飛鳥、奈良時代とかなり古い時期に中国から日本へ渡ってきたと考えられています。柑橘類は暖かい地域で生息する植物ですが、ユズは耐寒性が強く、病気にもなりにくいため、日本の風土に合った柑橘類です。
生薬としては橙子皮(とうしひ)と呼ばれ、血行促進、加温、抗菌、消炎などの作用があります。冬至のユズ湯はまさにこの効果を利用した薬湯。血行が促進され体が温まり、消炎作用から肌のトラブルも落ち着かせます。刺激が強いため、入れる量は少量に、直接肌にこすりつけることは避けて。肌が弱い方は足湯などにとどめましょう。
ユズに含まれるペクチンは、水分をぷるぷるにゲル化させる成分。種にも含まれているので、種を使って保湿用のジェルが作れます。
作り方は、
【1】煮沸消毒済みの瓶にユズの種と、3倍の量のウォッカを入れる。
【2】冷暗所で保管し、1日1回瓶を振り、1週間後に種を濾して完成。
でき上がったジェルは精製水で5~ 10倍に薄めて化粧水として使えばふっくら肌に。ジェルは冷蔵庫保管で2週間、化粧水は1週間以内に使い切りましょう。
* 日本酒や焼酎などのほかのアルコールでもできますが、アルコール度数が低くなると腐敗が早まります。
Instagram:@tsukurira0714
【書誌情報】
『二十四節気 暦のレシピ』
猪飼牧子・清水美由紀 著
古くから季節を表す言葉「二十四節気 七十二候」をテーマに、季節の移り変わりを花や植物で感じながら、ものづくりの楽しみを提案。
小さな変化を繰り返しながら、季節とともに四季をたどっていく植物。その時季の植物をアレンジメントや料理やおやつに生かしたり、心と体を健やかするハーブやアロマを活用したり、ちょっとしたおもてなしの小物をつくったり。二十四節気を植物とものづくりで体感できるアイデアとレシピ120を紹介します。
NEROLIDOL(ネロリドール) 猪飼牧子
フラワーアレンジメントやエディブルフラワー(食用花)、アロマテラピー、ハーブなどの植物教室を開催する傍ら、季節の花束、オリジナルブレンドハーブティー、ドライフラワーやプリザーブドフラワーなど本物の植物を使用したアクセサリーの販売などを手がける。植物が姿を変えながらも、生活に寄り添ってくれている「植物のある暮らしと装いを」を伝えている。
ホームページ:http://nerolidol-flower.com
インスタグラム:@makiko_nerolidol/
清水美由紀
フォトグラファー。生活を感じる旅、暮らしのあれこれ、健やかな食&住が興味の対象。雑誌やWebなどで「LIFE(生活、暮らし、人生)」にまつわる写真を撮影。日本&世界を娘とふたりで旅しながら写真を撮って暮らしている。美しい日常の瞬間を切り取った透明感のある写真は、国内外問わず、多くのファンを魅了している。
ホームページ:https://miyukishimizu.format.com/
インスタグラム:@uriphoto