更新日: 2019/04/09
前編では、今年3月に開催された東京・銀座の森岡書店での作品展の空間構成と作品をご紹介しました。後編は、トキイロさんが関わるプロジェクト「コエルハコ」の取り組みについてのお話です。
撮影・文:TOKIIRO (近藤義展)
連載第1回めでもお話しした「コエルハコ」。これはトキイロのホームタウン、千葉県・浦安より発信するプロジェクトで、毎回ゲストをお迎えし、経験や体験からのお話を伺い、料理や会話を通して、積み重なる「瞬間=今」を創り出すというもの。
トキイロは、このプロジェクトチームの一員として関わっています。植物をとおして発信していきたいメッセージの、もっとコアにある使命や目的に近いところでの活動です。
去る3月2日、3回目となる「コエルハコ3」を開催。ゲストは展示でもお世話になった森岡書店の森岡督行さんです。
▲「コエルハコ」開始間際の最終打ち合わせをする森岡さん。
ゲストの森岡さんを囲み、第一幕に対話、第二幕にお食事という二部構成で、時に感覚を研ぎ澄ませ、時に和やかに笑顔があふれる。そんな夜を参加者のみなさんと過ごしました。
「コエルハコ」では、毎回、ゲストに質問を投げかけるのですが、そのなかで印象的だったものをいくつかお話します。
質問その1。「自分自身を何か物語の役柄に例えるとだれですか?」。この問いへの森岡さんの答えは、なんとSF映画「スターウォーズ」に登場するロボットの「C3PO」!
▲森岡さんを囲んでの対話と食事会。
この回答には度肝を抜かれました。参加者一同大爆笑。えっ見た目の話?などと疑問も飛びましたが、「自由と正義の守護者であるジェダイが日本の作家さんであるとすると、自分はジェダイのそばにいてサポートする役目。失敗もたくさんあるし、逆に助けられているというか」と森岡さん。
そんな森岡さんだからこそ、いつも森岡さんの周りにはたくさんの人がいて、愛されるキャラクターなんだなあと思いました。
質問その2。「自分自身の生涯年表を前期後期、紀元前紀元後などと区切るとしたらどのタイミングですか? 」
森岡さん曰く、「今だと思います。今までやってきた経験やヒトとの付き合いを生かして形にしていけるのではないかと思っています」
▲影響を受けた一冊、木村伊兵衛さんの写真集を紹介する森岡さん
森岡さんの今までの経歴をさかのぼると、独立されたタイミングや、茅場町時代の初展示・平野多呂さんの展示のタイミング、茅場町から銀座に移ったタイミングなのかなあと予想していたので、「今」という答えが意外でした。
質問その3。「自分の好きなものを育み、今に繋げることができたのは、なぜだと思いますか?
「曲がりなりにも、お金が続いたからだと思う。仕事として成り立ったということ」とのお答え。
大変なこともあるけれど、楽しいことや好きなことに意識をして伸ばしていくという森岡さんの考え方がベースとなっているから、あらゆるジャンルの方々から声がかかるのですね。
▲次回の「コエルハコ」のゲスト、平井かずみさんと森岡さん、「コエルハコ」プロジェクトチームのメンバー。次回は6月21日金曜、19:00開催。
人にモテル、仕事でモテル。そんな方々のコアにある体験からくる思考からたくさんの学びがあって、キラキラした言葉を生で聞くことができる時間。そしてそれが自分の中に積み重なっていくのが実感できるのが、「コエルハコ」なのです。
TOKIIRO(トキイロ)
多肉植物に特化したアレンジを提案する近藤義展、近藤友美とのユニット。グリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など多岐にわたる活動の中から、空間(器)に生きるストーリー(アレンジ)を創作している。『ときめく多肉植物図鑑』(山と渓谷社)、『多肉植物生活のすすめ』(主婦と生活社)の著書のほか、監修本も多く、いずれも英語版、中国版、台湾版に翻訳され、グローバルに活躍の場を広げている。
ホームページ:http://www.tokiiro.com/
インスタグラム:@ateliertokiiro、@tokiiro_life、@pause_story_
Facebook:@AtelierTOKIIRO
ウェブショップ:www.tokiirowebshop.com
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