植物と人をつなぐもの 第3話(後編)|黄色いチューリップは、内気な少女を元気づけた思い出の花。紫のムスカリを添えて心弾む春一番のアレンジを。

前編では、多肉植物を楽しんで育てていくための管理方法について紹介しました。後編は友美さんにバトンタッチ。いち早く春を感じさせるアレンジメントのお話です。

撮影・文:TOKIIRO (近藤友美)

春を感じる色・・・
春を感じるにおい・・・

厳しい寒さの中でも、植物の芽吹きは、知らず知らずのうちに進み、 もう、春を迎える準備をしています。 最近、散歩中に気配を感じ、 ふと横を向くとたくさんの花をつけた梅やユキヤナギの姿がありました。

おうちでも、チューリップやヒヤシンスの新芽が出ていたり。植物たちから、春が来るよ、と、知らせてもらっています。

 

黄色いチューリップの思い出

私の中で、春に咲く花といえば、 黄色いチューリップを思い出します。

小学生の頃は人と話をするのが苦手で、自分の意見を伝えることが不得手でした。自分の自由な表現ができる場所は、その当時書いていた日記帳だけ。学校の行き帰りはたいてい一人きりで、道に咲いている花や植物によく話しかけていたのを思い出します。

なかでも春に咲く黄色いチューリップは、その明るい色に「大丈夫!!」と言われている気がして元気をもらっていました。それ以来、春になると桜並木の足元にたくさん咲き誇る黄色いチューリップは、私に前向きな気持ちになる時間を与えて続けてくれていたのです。

 

チューリップ&ムスカリで春一番のアレンジメント

そんな思い出深い黄色いチューリップを使って、いちはやく春を感じるアレンジを考えてみました。

今回用意したのは
・チューリップ(イエローベイビー)
・ムスカリ(アルメニカム)
・グリーンフレークゼラニウム
・日本の古道具 片口

自然の緑の中で、鮮やかな黄色や紫が顔を出して。 春を感じ、それを見た瞬間に心が弾み、引き込まれるように植物のそばに行ってしまうだろう。そんな思いからこのアレンジをつくりました。

器にしたのは日本の古道具の片口。もともと古い物が好きでよく骨董市などに行っては、花に合いそうな器を購入しています。今回は間口の広い日本製の片口を使った自然なアレンジです。

片口に水を張り、グリーンゼラニウム、黄色いチューリップ、ムスカリの順番で生けていきました。剣山は使用していません。道端に咲いているチューリップをイメージして、グリーンの植物の中から球根が芽吹き、太陽に向かって生き生きと成長している姿を表現しました。

 

心がほっとするムスカリの香りと姿

ムスカリはキジカクシ科ムスカリ属。原産は地中海沿岸・アジア南西部で耐寒性に強い草花です。花言葉は「明るい未来」や「夢にかける思い」。

色々な球根がある中でも小柄なサイズで可愛らしさもあり、凛とした姿も見せてくれます。ブドウの実を逆さにしたような花の形からブドウヒヤシンスとも呼ばれています。ブルーのコントラストも綺麗で、窓際に飾るとやわらかな陽光とムスカリの香りと姿が溶けあって、心休まるひとときを与えてくれます。

日々、生活をしているなかで、 植物が教えてくれる事って、たくさんあります。 色から想像が広がり、形から楽しさが膨らみ、においから季節を感じる。

忙しい毎日、気に入ったお花を1輪でもいい。 一緒に生活をしてみると、心の豊かさが生まれます。「可愛い」「綺麗」という感情が、次の何かにきっとつながっていくと思っています。

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