毎日を美しく、シンプルに暮らす。おしゃれマダムの「art de vivre」な生き方。|Favorite things 第7話(前編)

知れば知るほどシンプルな暮らし方に憧れるようになった・・・。今回は麻衣さんが絶賛する、おしゃれの大先輩、sayuriさんのお話です。

撮影・文:村川麻衣

去年11月、神戸にあるjuuriというお店でイギリスやフランスで集めてきたものを、パリ好きのsayuriさんと一緒に展示販売するイベントを開催しました。

 ご一緒させていただいたsayuriさんは「art de vivre」な生き方をされている素敵なマダム。知れば知るほど、sayuriさんのシンプルな暮らし方に憧れるようになりました。今回はそんなパリが大好きなsayuriさんのお話です。

 

出逢いはピアニストのコンサート

 sayuriさんとの出逢いは2016年。大阪にある天満教会で行われたフランス人ピアニスト、Quentin Sirjacq(クエンティン・サージャック)のコンサートでした。

 遅れてやってきた私がsayuriさんには印象に残っていたそう。私はそれより前からよく行くカフェでsayuriさんのことを見かけていました。マルジェラの服に、ブーツを夏に履きこなす格好良さ。自分のスタイルを確立されている佇まいに、私もこんな風に歳を重ねていきたい!と思いました。

 願いごとを書く「月のノート」に「私は憧れだったsayuriさんと仲良くなれてうれしいです!ありがとうございます」と書いたことも。コンサートの帰りの方向が同じで、ちゃんとお話したのはその時が初めて。写真ははじめてお茶したときに撮った一枚です。土佐堀川がセーヌ川に見えました。

 

パリへの憧れ

 物心ついた頃からパリに興味を持ち始めたというsayuriさん。当時パリで活躍していたKENZOのスタイルをファッション誌で見かけ、「パリはどんなところなんだろう」と想像を掻き立てられていったそう。

 時は1997年。Sayuriさんは初めてパリを訪れました。今みたいに情報が簡単に手に入らない時代、パリに対する憧れはどんどん募り、「いつかパリへ行ってみたい」という夢は20年後、叶うことに。

 私が初めてイギリスを訪れ「いつかこの国に住みたい」と思ったとき、「思い続けると夢は叶いますよ」と言ってくれたのは、sayuriさん自身がそうして夢を叶えられたからなのだと思います。

 

初めてのパリ

sayuriさんの初めてのパリは、ある雑誌の特集で組まれていた「パリの上質な暮らしを学ぶ8日間」でした。マルシェや蚤の市を巡り、マダムのアパルトマンを訪ね家庭料理やテーブルコーディネートを学び、人気サロン「ジゼルドローム」でエステ体験、バカラ美術館のVIPルームでウェルカムパーティ、エルメス本店の博物館見学、アニエスb.おすすめのレストラン「レストラゴン」にて食事、パリのプチホテル「La Galerie.(ラ・ギャラリエ)」に宿泊。きっと最上級のパリがぎゅっと詰め込まれていたひとときだったに違いないはず。

 

暮らすように旅するパリ

これまでに25,6回もパリを訪れているsayuriさん。最近のパリでの過ごし方は「暮らすように旅する」こと。キッチン付きのホテルに滞在し、朝からビオのマルシェで新鮮な野菜や旬の野菜を買って、チーズやハムなどの専門店へ行き、それから美味しいパンやワインを調達。サンルイ島にある美味しいチーズやさんや10区にあるDu pain et Des Idees(デュ・パン・エ・デジデ)のパン・デ・ザミを求めてあちこち歩き回るそうです。

パリの地図を見るのが好きで、地図を眺めているだけでパリを歩いている気分になれるとか。

 

sayuriさんおすすめのパリ

 そんなsayuriさんにパリで大好きな場所を3つ教えてもらいました。

1.Place de Furstenberg(フュルステンベルグ広場)
Eglise Saint Germain des Prés(サン・ジェルマン・デ・プレ教会)の裏にあるこの広場は、「パリで一番小さな広場」と言われており、小道がとても素敵だそう。

 2.Place des Vosges(ヴォージュ広場)
パリ最古の広場で、高級エリアとしても知られ、優雅な中世の雰囲気が漂っている小さな広場。前回の旅行では、必ずこの公園を通っていたそう。

 3.Palais-Royal(パレ・ロワイヤル)
ヴェルサイユ宮殿を造ったことで有名なルイ14世が幼少期に過ごした王宮で、中庭にある白黒のストライプの円柱は、現代美術の芸術家、Daniel Buren(ダニエル・ビュラン)による作品で、「パリへ来たー」という感じの写真が撮れる場所。

 

パリのお土産

 sayuriさんから頂いたパリのお土産。Sébastien Gaudard(セバスチャン・ゴダール)のマドレーヌは箱まで可愛くて、ビーズを入れて再利用。Saint Germain des Prés(サン・ジェルマン・デ・プレ)にあるブルターニュ地方の魚の缶詰専門店Conserverie la belle-iloise(コンセルヴリィ・ ラ・ベル・イロワーズ)の缶詰は、パッケージが可愛くてまだ開けられません。

 

旅のノート

パリで見つけたかわいいものの記録を絵に残したり、お店のショップカードやお菓子のラベル、切符などパリの欠片を集めたりしたsayuriさんの旅ノート。

後編では、そんなパリに影響を受けたsayuriさんの暮らしについてお話したいと思います。

 

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