更新日: 2019/10/28
「引き寄せの法則」は、モノとの出逢いにもある、という麻衣さん。第4話は、1枚の布や古着、ヴィンテージのアクセサリーなど、麻衣さんがときめいたものたちのお話です。
撮影・文:村川麻衣
世界はもので溢れています。何に出逢い、何に惹かれ、何を選ぶのでしょう。目が合うような、きゅん!とときめく瞬間は、前触れもなく突然やってくるように思います。そんなモノとの「運命の出逢い」を引き寄せられる私でいたいと、常々思っています。
名前が刺繍されたフランスの布は、イギリスで出逢ったものです。
布を手にすると「素敵でしょう、フランスのもので、名前が刺繍されているの。珍しいのよ」とやや控えめに話しかけてくれた白髪の上品なマダム。広げて見せてもらうと、フランス人の名前がランダムに散りばめられ、書体や刺繍糸の色もバラバラなのに、ごちゃごちゃと見えない。もしこの刺繍がたった一人の手によって施されたのだとしたら、なんて素敵なセンスの持ち主なんだろうと思いました。
ハンガーラックのお洋服の埃除けのカバーとして使うことに。偶然にも私のイニシャルでもある “M” が角に刺繍されていて、いいアクセントになっています。
アンティークのコットン生地は、軽くて柔らかくどこか儚い存在です。ノースリーブのブラウスは、イギリスのTewksburyにある通りすがりのアンティークショップで出逢ったもの。着用した時の首回りの開き具合が絶妙で、合わせやすい1枚です。襟の部分に一目惚れしたナイティは、Shepton Malletの蚤の市にて。
試着したときに見つけた手書きの文字に、うっとりしました。ちょっとオーバーサイズでAラインの形に、フリルのついた襟のバランスが最高なんです。
並んでいるお洋服は、どれも古着です。長い時を経てきたものは、不思議と飽きもこず長く着られるものが多いように思います。そして、”同じものにはもう出逢えないかもしれない” そんな魅力に、より大切に着ていこうという心理が働くのかもしれません。
こちらはすべてヴィンテージのイヤリングです。左上のゴールドのものは、Notting Hillで毎週土曜日に開催されているPortobello Road Marketで見つけました。蚤の市ではアクセサリーもたくさん見かけますが、これ!というものに出逢えるのはそんなに多くはありません。その他のイヤリングは日本の古着屋さんで買ったものです。
愛用しているヴィンテージのリングと古い箱、そしてボトル。右のシルバーのリングはアンティークショップがたくさん並ぶイギリス・Tetburyのアンティークショップで出逢ったものです。4,5階建てのビルに所狭しと、アンティークが並んでいたのですが、目に止まったのはガラスのショーケースの一番奥にいたこのリングでした。お店の方に出してもらい、指にはめるとぴったり!運命だと思いました。
アンティークの黒を並べてみました。繊細なレース、ガラスのビーズなど、黒の存在感はロマンチックな気配がします。何に使うでもなく、ただ並べるだけで満たされる時間があります。
後編では、収集している缶やガラスのボトル、紙ものなどをご紹介したいと思います。
村川麻衣
長崎県生まれ。紙ものなどを中心に扱うアンティークショップでの経験とお菓子やさんを運営する株式会社ネネンのクリエィティブディレクターとして広報・企画・ウェブディレクション・新ブランドの立ち上げ、ギャラリーのキュレーション等を手掛ける。2019年独立。現在は大阪を拠点に世界中を旅しながら、アンティークのバイイング、企画・ブランディング・コンサルティング・ディレクション・撮影などを行う。ROMANTIC LETTERSという屋号で“好き”をコレクション・販売している。
詩人「月森文(つきもりふみ)」としても活動中。
ホームページ:https://www.maimurakawa.com/
インスタグラム:@maii_mrkw