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花とアンティークと 第11回(前編)|別格の存在感を放つバラ。だからこそ、あえて生活雑器や鉢物でラフに活けてみる。

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「花とアンティークと」は、名古屋で評判のフローリスト、フラワーノリタケの則武潤二さんと、アンティークと雑貨を扱うTisane infusionの則武有里さんとのコラボレーション・スタイリングです。第11回の前編はバラのアレンジメントです。

フラワーアレンジ&スタイリング:則武潤二、則武有里 撮影・文:則武有里

いよいよバラの季節がやってきました。
バラといえば舞台では主役のイメージ。一輪でも姿勢のいい優美な花姿には誰もがハッと目を惹く気品が漂います。芳香も素晴らしいので、皆に愛される花のひとつではないでしょうか。

素朴な草花があふれるフラワーノリタケの店頭では、バラもゴージャス感をひそめ、カントリーサイドから摘み取ってきたようなやさしい表情を湛えています。

 

ストーンウェアのボトルでアレンジ

バラは種類や色が大変豊富です。ストーンウェアの色になじむよう、モッコウバラをはじめイエロー系のバラたちに集まってもらいました。中央のミキシングボウルには八重咲きの珍しいグリーン色のラデッシュが入っています。

花器は1900年頃イギリスで使われたストーンウェアのボトル。ミキシングボウルやジャム瓶、ビアーボトルはしっかりとした重みのある頼もしい器で、深みのある色合いも花器として使うと重宝します。家族が集まる温かい場所にとても良く似合うと思いませんか? 

花材は、左から、モッコウバラ、その下の小さな3輪はラデッシュ、その上はキャラメルアンティーク、マイラブローズ、ベビーロマンティカ、右端は左端と同じモッコウバラです。

生活の中で使われてきた道具を花器にするときは、かっこよく飾ろうとせずラフに活けることを心がけるとしっくりくるのではないでしょうか。ジャム瓶などは口が広いので何本か入れた方が綺麗にまとまります。茎も長く綺麗なので長いものはなるべくそのままで、少しだけ短く揃えて低めのものを混ぜると高低差ができてバランスがよくなります。モッコウバラはラインを活かしてのびのびと飾ることがポイントです。

全体の写真ではわかりづらいですが、花芯の巻はギュッと詰まり、つくりもののような美しさです。そしてバラの魅力といえば人をうっとりさせてしまう芳しい香り。たとえ一輪でもお部屋じゅうを幸せで包む力のある花のひとつですよね。

 

ミニバラは切り花でなく、鉢物で

大きくならないミニバラは鉢物で楽しみます。大人色の落ち着いた花色がとても人気です。

プラスチック製の入れ物では味気ないので、パンをこねる大きな木の器を鉢カバーにして飾ってみました。切花より長く楽しめ来年も開花してくれるので、こちらもおすすめです。

下の写真は昔使われていた炭入れの道具を鉢カバーにしました。素材は銅。持ち手は品よく編まれているので、テーブルに置いても器として十分使える美しさです。

 

花びらを散らして遊ぶ

散り際でも花びらや葉は捨てるのがもったいないくらい瑞々しさが残っています。小さな草花を少しだけ足して、テーブルの上に広げたらとてもフォトジェニック。写真に残して楽しんで欲しいです。葉の裏側は艶もなくマットな風合い。葉脈の凹凸が面白く、こちらも写真映えします。

こちらはさらにスタイリング。お皿の上に散らして美味しいジャムや季節のドリンクを載せてみました。テーブルの上にふんわりとやさしい香りが広がります。

カジュアルなバラの楽しみ方、いかがでしたか? 後編では種類の違うバラが登場します!

「花とアンティークと」の連載の全編は、こちらからご覧いただけます。

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