ぷるるん、とろり。キンモクセイの葛湯で心も体も健やかに|白露

制作・文:猪飼牧子 撮影:清水美由紀 文・つくりら編集部

明日9月7日から二十四節気は白露(はくろ)です。

夜になると大気が冷え込むようになり、昼間の湿った空気は、朝方に宝石のような露に変わって、草木に姿を現します。空は少しずつ高くなり、いよいよ本格的な秋の到来です。

白露『二十四節気 暦のレシピ』より

この時季、ふとしたときに華やかな甘い香りを含んだ秋風が立つことがあります。その香りの正体はモクセイ。中国原産の常緑小高木です。

桂花(けいか)とも呼ばれるモクセイの花は、古くから風邪や痰切り、歯痛などの薬にもされてきました。その香りのよさから花茶や酒、シロップなどとしても用いられています。かの楊貴妃も愛飲したといわれる桂花陳酒は、白ワインに桂花を三年間漬けて熟成させたもの。宮廷の秘酒といわれ、桂林の特産品として人気です。

この桂花陳酒に憧れて、庭のキンモクセイで白ワインシロップを作ったことがあります。咲いたばかりのキンモクセイの花を丁寧に摘むのは、風のない静かな朝。水でさっと洗ったキンモクセイに白ワインと砂糖を入れて煮詰めれば、咲きたての香りを閉じ込めた黄金色の美しいシロップに。ヨーグルトやアイスクリーム、トーストなどによく合います。

白露キンモクセイの葛湯『二十四節気 暦のレシピ』より

きらきらと輝く黄金色は、キンモクセイの葛湯です。華やかなキンモクセイの香りと小さな愛らしい花をいっぺんに楽しめて、体にもうれしい効能がたっぷり。

市販の葛湯でお湯を注ぐところを、キンモクセイのお茶、桂花茶に変えるだけ。お茶を入れた後、少し火にかけると透明感が出てとろみもつきます。出しがらの茶葉の花も少量入れるときれいです。

少しの手間で季節の風物詩を長く楽しむ。植物とのつきあい方の一つの形だと感じています。

*一部、再編集し掲載しています。

Instagram:@tsukurira0714

【書誌情報】
『二十四節気 暦のレシピ』
猪飼牧子・清水美由紀 著

「二十四節気 暦のレシピ」古くから季節を表す言葉「二十四節気 七十二候」をテーマに、季節の移り変わりを花や植物で感じながら、ものづくりの楽しみを提案。
小さな変化を繰り返しながら、季節とともに四季をたどっていく植物。その時季の植物をアレンジメントや料理やおやつに生かしたり、心と体を健やかするハーブやアロマを活用したり、ちょっとしたおもてなしの小物をつくったり。二十四節気を植物とものづくりで体感できるアイデアとレシピ120を紹介します。

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