森ゆきこさん(後編)|『アイシングでつくる愛されるお菓子 シュガーケーキ&クッキー』では、宝石のような美しいケーキを提案。パーティーに、プチギフトに、スイートなひとときを。

森ゆきこさん(後編)|『アイシングでつくる愛されるお菓子 シュガーケーキ&クッキー』では、宝石のような美しいケーキを提案。パーティーに、プチギフトに、スイートなひとときを。

では、初の著書『アイシングクッキー&カップケーキ』のエピソードや、モチーフを描くアイシングクッキーの楽しさについてお伝えしました。後編では、森さんがケーキデコレーションを手がけるようになったきっかけや、カップケーキやシュガーケーキの魅力についてお話します。

撮影:北村圭介  取材・文:小松﨑裕夏

アイシングクッキーよりも特別感を出したいときにおすすめなのが、カップケーキのデコレーションです。

 

贈りものにぴったりのカップケーキ

「コロンとした形がかわいいので、贈りものにぴったりです。クッキーは平面ですがカップケーキは立体。その分、デコレーションの幅が広がって楽しいですよ」

でも、ちょっと難しそう・・・。尻込みする記者に、「初めてつくるなら、アイシングを使わずクリームをのせるだけでもOK」と森さんがひとこと。しかも、「十分、豪華に見えますよ」ですって! 

こちらはカップケーキコースクラス用の作品で、クリスマスをテーマにデコレーション。大人っぽく&シンプルにまとまるようにデザインしてみたそう。

あたたかな日だまりのようなクリームイエロー、凛とした冬のすがすがしさを思わせるシャーベットブルー。なんとも上品な色合いに、愛らしいモチーフがぴたりと寄り添っている・・・。スイーツであり、かつアート。森さんがつくり出す世界はどこまでもやさしくて、なごやかに語りかけてくれる。それは森さんご自身のお人柄を映し出しているようにも見えます。

ベースに雪の結晶のスタンプを押したり、砂糖でつくられた雪の結晶をのせたり。「凹凸を組み合わると立体感が強調されます」。空いているところにアイシングでドットを絞り、全体のバランスを取っています。

 

マーサ・スチュワートのシュガーケーキに釘づけ

イギリスに留学する前から、シュガーケーキやアイシングクッキーに親しんでいた森さんですが、あくまでも趣味のお菓子づくりの一環で、特別な思いは抱いていなかったと言います。

しかし、あるときテレビでたまたまやっていた、カリスマ主婦マーサ・スチュワートが提案するシュガーケーキを見て一変。


▲森さんが影響を受けたマーサ・スチュワートの本。シックなシュガーケーキは、おしゃれなウエディングシーンとともに提案されていた。

「マーサの番組で見たケーキは、私が今まで見てきたケーキとは異なり、とてもシンプルで上品でした。これならやってみたいと強く思ったんです」

そんな熱い思いに突き動かされて、本場イギリスでケーキデコレーションを学ぼうと決意。まずは調理や製菓コースで定評のあるロンドンのウエストミンスター・キングスウェイ・カレッジへ。ここは、世界的に活躍する人気シェフ、 ジェイミー・オリヴァーの出身校としても知られる学校。ここでシュガーケーキの基礎を学び、さらにケーキデコレーションを極めるため、シュガークラフトの名門ブルックランズ・カレッジに進みました。

その後、英国内外で活躍するケーキデザイナー、ペギー・ポーションが運営するケーキスタジオのメンバーとして働く幸運が訪れます。

「カレッジでは伝統的な模様のことや基礎を、逆にスタジオでは限られた時間でいかに効率よくつくるかなど、実践的な部分を学ぶことができました。同時期に違うことを学べたのはラッキーだったなと思います」


▲ケーキデザイナー、ペギー・ポーションの数々の著書は、森さんの宝物。

 

360度どこから見ても楽しめるシュガーケーキ

2010年に『アイシングクッキー&カップケーキの本』を出版後、担当編集者から、シュガーケーキの本もつくりましょう、という依頼があり、2012年に第2弾を出版することになります。それが『アイシングでつくる愛されるお菓子 シュガーケーキ&クッキー』です。


▲右が2010年に発売した『アイシングクッキー&カップケーキの本』。左が2012年に発売した『シュガーケーキ&クッキー』(ともに日本文芸社刊)。

「360度、デコレーションできるようになるのが、シュガーケーキの魅力です。遊びの自由度が増すし、飾る面も広いので、テーマ性の強い作品に仕上げることが可能になります。慣れるまでは練習が必要ですが、必ずできるようになるので、もっと多くの方に楽しんでもらいたいです」


▲ケーキにデコレーションするときは、向きを自在に動かせるケーキ台を使う。


▲上級コース用のデザインは、難易度の高い伝統的な模様を組み合わせて。シュガーアートのコンペティションなどでよく見られるテクニックも。

こちらは、雑誌『sobacus』から依頼を受けてつくった力作。「レースがテーマでしたので、繊細なレースがケーキにかかったようなイメージで仕上げました。いままでつくったことのあるケーキのなかでもお気に入りのデザインです」

手づくりのスワンがひときわ目を引くこちらは、ケーキデコレーションコースクラスの課題作品。白をベースにシルバーやゴールドを差し色に使い、エレガントにまとめています。

 

見た目のかわいさだけでなく、おいしさも追求

スクールを始めてから約5年。これまで、生徒にスイーツデコレーションの技術を教えることに専念してきた森さんですが、今後は新たな展開にもチャレンジしたいと語ります。

「ウエディングケーキを受注してデザインしたり、製品として販売したり、自分がつくりたいものをつくる場を広げていけたら嬉しいです。見た目のかわいさだけでなく、おいしさも追求していきたいですね」


▲奥の棚には、スクールで教える作品の見本や森さんのオリジナルケーキをディスプレイ。それらが映えるよう、内装は白で統一している。


▲ケーキデコレーション上級とクリエイティブコースクラスの生徒は、自分の名前が刺繍された制服を着ることができる。制服を着ると気持ちが引き締まると好評。

 

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