BOOKS
暮らしの本
著者:中川たま
読んだ人:立川千歳(編集者)
「この本は製作期間に1年間かけさせてもらいました。随分、手間暇かけてつくらせてもらったなという実感はあります」。そういってこの本の担当者は少し微笑む。
料理の旬の素材が匂い立つ感じを際立たせるために、旬の時期に写真を撮っていったのだという。そのためにはじっくり1年を通さなければならない。
「料理の写真は、わかりやすく、美味しそうにといったセオリーみたいなものがあるのですが、そういうことよりは著者の先生の世界観を大事にしていこうと思いました。たとえば、お皿まで含めた美しさ、素材ひとつひとつへのこだわり、著者のセンスが生きるようにと撮ってもらいました」
この本の料理の写真は不思議だ。ただ、美味しそうだ、というのではない。そこには、それを超えて浮かびあがってくる生命感、生まれたての命の持つみずみずしさがある。お弁当が呼吸しているようだ。
料理カタログではない、食べるということの幸せ、生きることの喜び、そんなことまで、この本は伝えようとしている。
「他のお弁当本とちょっと違うかなと思うのは、季節を感じてもらうために外で食べるということにも気を遣いました。『行楽お弁当』みたいな。みんなでにぎやかに食べることも意識しました」
四季のある国で暮らしていると、そのありがたさを忘れてしまう。
春には春の、夏には夏の、季節に沿った気持ちのいい場所へ、季節の香りをのせたお弁当と大地のつながる場所へ、一人で、大切な人と、旬の素材をぎっしり詰めたお弁当を持って、出かけたくなる。
日常でも、行楽でも、お弁当に詰めたいのは愛情と「旬」。季節ごとの「おかずの素」でつくりおき&つくりかえ。手軽でおいしい180レシピ。
書籍名:春夏秋冬、ぎゅっと詰めて 旬弁当
著者:中川たま
ページ数:144ページ
判型:B5変型判
発売日:2017年2月
定価:1,512円(税込)
紫外線が強くなってくると、気になってくるのが肌の新陳代謝やトラブ…
更新日: 2021/04/12