つくりら文化祭*開催レポート02|キラキラしたもの、小さいもの。もっと知ればもっと好きになる。道具と素材のストーリー。

10月19日、20日に開催されたつくりら文化祭。開催レポート第2話は、手芸道具や素材、リュネビル刺繍のアクセサリーをご紹介します。

撮影:奥 陽子 文:つくりら編集部

愛らしい手芸道具はCohanaさん

古いステップラダーとガーデンテーブル&チェアのコーナー。美しい彩りに引き寄せられるように近づくと、ユニークな手芸道具があっちにもこっちにも。手芸道具のブランド、Cohana(こはな)さんです。

カラフルなのに落ち着いた色合いは、四季の移ろいが感じられる日本の伝統色なのだそう。黄水仙(きすいせん)、薔薇色、水浅葱(みずあさぎ)、露草色、深川鼠という、これまた素敵な色名がついています。

素材の産地を訪ね、職人さんたちとコツコツと丁寧な仕事を積み重ねてきた果てに、世にも愛らしい手芸道具ができあがった――ものづくりの背景を臨場感たっぷりに語ってくれるCohana店長の河口万里さん。ついつい聞き惚れてしまいます。

文化祭でも大人気だった「とんぼ玉の待針」と「関の豆ばさみ」。老舗刃物メーカーがつくったという全長35mmの小さな豆ばさみは、指でつまむように持ち、軽い力でカットできます。こんなに小さいのにすごい働き者!

黄水仙の色でまとめたコーナー。裁縫道具やアクセサリー入れにちょうどいい「白なめし革の巾着」、色鉛筆が入っている引き出し式の小箱は、越前和紙「浮き紙」を使用。鉛筆を刺したボタン型のものは「南部鉄器の文ちん」。文ちんは洋裁で使いますが、ペン立てとしても使えるのが嬉しい。重ねてスタッキングできるスグレモノで、同じ形で真ちゅうのものも。

 

手づくり心をくすぐるgrisさんのセレクト素材

こちらは、手芸道具や素材、キットを扱うgrisさんのコーナー。今回、心奪われてしまったのがブレード。街中の手芸ショップに行っても、なかなかピンと来るものが見つけられず、作家さんの作品やインテリア雑貨にあしらわれた素敵なブレードを見るたびに、いったいどこで見つけているんでしょう、とずっと思っていました。

そのブレードが素材もデザインもさまざまにこんなにたくさん! 聞けばアパレルメーカー向けにブレードを卸していた製作所さんのものだそう。「バッグやポーチ、ポケットに縫いつけても可愛いですし、そのままアクセサリーにもなりますよ」とgrisの手塚小百合さん。手塚さん自身はベルトにすることもあるそうで、クールなスタイリングの提案に、今度は自分も・・・なんて思ってしまいます。

ブレードの隣りをのぞくと、古いプリンターズトレイにボタンがぎっしり。「シャネル」なんて書かれたものも。色違い、サイズ違いなど、見れば見るほどくまなくチェックしたくなる。何に使うかはそっちのけで欲しくなってしまう・・・ああ、手芸素材の甘く危険な誘惑!

つくりら文化祭でワークショップを開催してくれたporitorieさんのリボン刺繍のキットも種類豊富に取り揃えてくれました。 

 

Opitopaさんのリュネビル刺繍のアクセサリー

grisさんの隣を進むと、Opitopaさんのリュネビル刺繍のアクセサリーのコーナーです。自らもイヤリングをつけて登場のOpitopaのMIWAさん。

リュネビル刺繍とシルクを組み合せたアクセサリーは、主張しすぎない上品なキラキラ感がなんともいえません。

なかにはエメラルド色のアンティークビーズを使用した作品も。古いビーズのとろりとしたやわらかい輝きに心を奪われてしまいます。

会期中、ネックレスを気に入って、何度も何度も鏡の前で着けたり外したり、、、をくり返していたお客様もいらっしゃったそう。同じデザインでも、ひとつひとつに個性が隠れているのが手づくりものの魅力。この日、この場所で、どの作品が誰の元へ旅立つかは、本当にご縁、なのですね。

開催レポートはまだまだ続きます、お楽しみに!

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