フレッシュミントが、涼やかな風を連れてくる

撮影:宮濱祐美子 文:太田明子

夏一番、身体が欲しがる味覚といえば、辛み、酸味、それに清涼感ですよね。ミントはさわやか系ハーブの代表格。ドライも市販されていますが、やはり生葉のフレッシュな風味にはかないません。香りはもとより、色や形も楽しめる生を使ってその魅力を十分に味わうことにしましょう。

ミントにはたくさんの種類があり、風味もいろいろ。日本では古くから薄荷(ハッカ)と呼ばれて親しまれてきましたが、古代ギリシャでは消化、健胃強壮、殺菌消毒などの効果で広く知られ、人々は料理やティー、入浴剤、香料などに多用したようです。

現在私たちがミントと呼ぶものは、ヨーロッパ原産のペパーミントやスペアミントが一般的です。ペパーミントがメンソールを含み、スーッとする強い清涼感とクールな香りで化粧品や歯磨き剤などに使われるのに対し、スペアミントはメンソールを含みません。ペパーミントに似た香りですが、やや甘みが加わってやさしくなり、料理に少々入れ過ぎても気になりませんから扱いやすいハーブといえます。ヨーロッパはもちろん、アジア、中東、インド、メキシコでも料理によく使われます。

スペアミントは葉にしわがあり、その先がとがって槍(=スペア)に似ていることからこの名がついたと伝えられます。挿し芽、株分けでふやす、丈夫で育てやすい多年草です。 半日陰と適度な湿度を好むことから、手軽なキッチンガーデンにもお勧めできます。輸入物のおしゃれな空き缶に苗植えして育ててみてはいかがでしょう。春から秋にかけて元気に繁り、パープルの花を咲かせます。旺盛な繁殖力を見ていると、その生命力を身体に注ぎ入れたくなりますし、緑の葉は、台所仕事のかたわら、目の端でちらちら見えるだけで可愛くていとしい。香りを嗅げば、小さなしあわせを感じます。

料理家、中川たまさんの『暦の手仕事』には、ぜひ常備したいミントシロップの作り方が紹介されています。しかもとてもカンタン。水、はちみつ、きび砂糖を鍋に入れて煮立たせたあと冷まして、保存瓶にミントと入れ、冷蔵庫に一晩置くだけ。

アイスクリームやヨーグルト、かき氷にかけたり、水やソーダで割って、ミントの葉やレモンを添えれば目にも涼しげ。何かと応用範囲が広く、ミントが身体のほてりを鎮めてもくれます。

ミントシロップの材料
水1・1/ 2 はちみつ 大さじ2 きび砂糖 100g スペアミント3~4本

ミントとパイナップルのかき氷 生のパイナップルをすりおろして器に入れ、氷を削ってミントシロップをかけるだけ。

写真とレシピは『暦の手仕事』より。

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