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花とアンティークと 第8回(後編)|ひな祭りに欠かせない桃の花は、枝もの三姉妹の“次女”。しっかり者で春到来の鐘を鳴らしてくれます。

名古屋で評判のフローリスト、フラワーノリタケの則武潤二さんと、アンティークと雑貨を扱うTisane infusionの則武有里さんとのコラボレーション・スタイリングです。第8回の後編は桃の花が登場します。

フラワーアレンジ&スタイリング:則武潤二、則武有里 撮影・文:則武有里

梅・桃・桜は春の枝もの三姉妹。年の始まりをしっかり告げてくれる梅は長女です。末娘の桜は、姉たちの良いところをしっかり見届けて素晴らしい花を咲かせる華やかな存在。次女の桃は何も考えていないようですが、なかなかのしっかり者で春到来の鐘を鳴らしてくれます。

生き物たちが春を感じて動き出すタイミングは様々だと思うのですが、桃が咲き出すともうゆっくりはできません。春の始まり、スタートに立たなくてはいけません。春の幕明けです。

 

まっすぐな桃の枝×丸いキャベツの仲良しコラボ

春を告げる桃の花に合わせたのは、ちりめんのようなサボイキャベツです。

キャベツなのに彫りが深く、編み目模様が独特な容姿に一目惚れした素材です。切花にも旬があるように野菜にもその時期にしかないものがあるため、時々地元のユニークなものを育てて販売している農協にも足を運びます。定期の花教室では野菜と切花のコラボアレンジレッスンもあったりします。もちろん、飾った後は食べられます(笑)。

3枚の葉を自然の形を活かして丸くなるよう、紙の水引でクリクリと巻いて形を整えています。特別なことはナシ。空いた隙間に小さな小鉢でも忍ばせて水を入れれば立派な器に。真っ直ぐな桃の線と丸いキャベツの曲線だけで楽しい空間のでき上がりです。

 

お弁当箱にひとつだけ。花箱を忍ばせるサプライズ

菜の花と桃という、ひな祭りの定番花材でつくったボックスアレンジメントです。

菜の花が出回るこの時期にたくさんの菜花を埋めるのに使えば、それほど他の花材を使わなくても、ボリュームいっぱいの可愛いアレンジができ上がります。

花材は、左上から時計回りに、ラナンキュラス(黄色)、ラナンキュラス(ピンク)、菜の花、桃、スイートピー、ツルバキア、キリタンサス

こちらは、連載第6回(後編)のお正月にも使用した行李柳の道具箱です。あの時は柿渋色でずいぶんと使い込まれたものでしたが、今回の箱は素朴で自然の色が美しいもの。賑やかなお弁当の中に一つだけ花箱を忍ばせて用意しておくのはいかがでしようか? パッと蓋を開けた時に皆さんに喜んでいただけると思います。

最初のアレンジ計画は写真のように半分の花のアレンジを、残りの半分のスペースには桃を箸置きのサイズにカットして並べる予定でしたが、全て花で敷き詰めた方が可愛い!という事になり、一面花畑にしました。なので実際は長いオアシスひとつに花のアレンジしています。

菜の花が手に入りやすい時期ですので埋める花材としてたくさん使用するととても楽にアレンジできます。

蓋が閉まることを考えて低めにカット。菜花の黄色い花の部分は、葉の部分と同じ高さにカットしてバランス良くオアシスが隠れるようにどんどん挿していきます。後はスイートピーや他の花を散りばめるよう挿していきます。

 

ピンクの花びらを思う存分、愛でる

硬い蕾だった桃の花もひとつひとつちゃんと咲いてくれます。色の濃いピンクは大事に小皿やガラス瓶にとっておいて色で楽しんではいかがですか? 今日はチョコレート型や古い格子の箱で遊んでみました。

飾っていた枝や切花が終わりに近づくと茎が折れてしまったり、花や葉の勢いがなくなってしまったりします。そんな時はいい花の部分だけを摘み取って飾らせてもらいます。一日花になってしまいますが、その輝きは格別でお客様の目を釘付けにして楽しませてくれます。

 

金平糖のような愛らしい蕾を主役に

可愛らしい花びらのボックスアレンジから一転、最後は渋めのスタイリングです。

桃の枝はしっかり力強いので、なかなか柔らかい雰囲気を出すのが難しい花材です。それでも桃の丸い蕾は金平糖のように愛らしい形なので渋い器の表情を和らげてくれる一役を買ってくれます。この落ち着いたお皿に綺麗な和菓子を置くイメージが浮かんできませんか?皿は江戸の灯明具の油小皿です。

しっかり者の次女、桃の花のアレンジメント、いかがでしたか? 末っ子、桜の出番まであともう少しです!

 

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