BOOKS
暮らしの本
著者:青木恵理子
庄司靖子(編集者)
Tシャツやカットソーの余りをリサイクルしたという糸、ズパゲッティ。日本で紹介されたときから話題で、ずっと人気が続いている。私も、編み物を楽しむ者として気になっているのだが、編みたいと思うデザインがなく、これまで編む機会がなかった。そんな私が、これなら編んでみたい、使いたい!と思う本に出会った。『ズパゲッティで編むバッグと雑貨』だ。本を手に取って、惹かれた理由もすぐにわかった。もともと好きな青木恵理子さんのデザインだったからだ。
青木さんがデザインしたかごバッグはこれまでいくつか編んでいる。大きさが手ごろだったり、持ち手が持ちやすいよう工夫されていたり、ビーズや布など、糸以外の素材と組み合わせるなど、おしゃれで使い勝手がいいので、編んだバッグは気に入って長く愛用している。
本書でも、表紙を飾った水玉模様のバッグをひと目見て、いいな!と思った。また、うれしいのは、かぎ針だけでなく棒針編みの作品も紹介されていること。編み地とニット地を組み合わせて作るスクエア底のコンビバッグは重さを軽減することもでき、デザインも好み。ソーイングの要素も加わるが、少し頑張れば、お気に入りのバッグになるに違いない。
本を担当した編集者が「ズパゲッティの本は何冊も刊行されているので、作品をどう差別化するかで悩みました。編み地が重くならないよう、棒針編みの作品も入れました。また、太い糸はひもが簡単に編めるので、持ち手を長くして3WAYにするなど、素材の特徴を生かした作品になっていると思います」というのも、大いに納得できる。
本を見て、さっそくHoooked RIBBON XLを2色手に入れ、水玉模様のバッグを編んでみた。編集者の「なんといってもすぐできる、すぐ使える、が最大の魅力です」という言葉通り、半日で仕上げることができた。長財布とハンカチを入れて近所にお買い物にいくのに重宝しそう。思った以上にかわいいので、余った地色と配色糸を反転させてもうひとつ編もうと思っている。
超極太の「ズパゲッティ」で編む、ニット小ものの作品集。太さと綿の素材感を生かしたバッグや生活雑貨が、短時間で完成。