更新日: 2020/03/21
写真協力:Hirokazu Sugimoto 撮影・文 つくりら編集部
ニコライ・バーグマンさんのアレンジを初めて見たのはいつだったでしょうか。タレントにフラワーボックスのつくり方を教えるというテレビ番組だったかもしれません。「こんなアレンジもあるのね」と、いたく感心したことを覚えています。
▲今やフラワーギフトの定番スタイルとなったフラワーボックスは2020年で20周年を迎える。
それからずいぶんと月日が流れたある日のこと。友人と待ち合わせた南青山で、とびきりおしゃれな花屋さんに出くわしました。見れば棚には、いつぞやのテレビ番組で観たあのフラワーボックスが。そう、ここが「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」のフラッグシップストア。併設されたカフェ「ニコライ バーグマン ノム」とともに南青山のおしゃれスポットだったのでした。
表参道駅から徒歩3分。骨董通りとみゆき通りにはさまれたエリアに佇むフラワーブティックとカフェ。まさに花と緑のサンクチュアリともいえる癒しの空間に、2020年2月、バーグマンさんのアートギャラリーが新しく加わりました。
アートギャラリーっていったいどんな? バーグマンさんが集めたコレクションを並べているのだろうか、と思いきや、並んでいるのはバーグマンさん自身が手がけたアート作品。1階と2階にわかれたギャラリーは、華やかな作品は1階に、モノトーンのシックな作品は2階にディスプレイされています。
花を使って何か違うアプローチはできないか。そんなバーグマンさんの思いが初めて形となって現れたのは2013年のこと。突如でき上がったのが、菊の花を筆代わりにしてつくりあげたフローラルペインティングです。作品と一緒に置かれたスニーカーは、2013年に25周年を迎えたZUCCaのスペシャルコラボレーション。バーグマンさんのフローラルペインティングがシャツやワンピースなどのアイテムにプリントされました。
ギャラリー1階、右手の窓際に飾られているのは、ドライフラワーのアジサイにカラースプレーした作品。高さ170㎝、幅130㎝の大作です。
鮮やかな色彩がひと際目を引くこちらの作品は、すべてバラの花びら。
下の作品は、韓国産のウッドプレートに花のガクを貼りつけ、色とりどりのペイントを施したもの。
数々のオブジェやフレームが飾られたギャラリーの一角に、大小のプレートが置かれたテーブルがありました。聞けば、こちらは240年もの歴史を持つ、有田焼の窯元、藤巻製陶とのコラボレーションで制作したものだそう。
ジニアの花そのものを筆にして顔料をつけ、プレート1枚1枚に絵付けをしたもの。裏には「nicolai bergmann」のロゴとシリアルナンバーが刻まれています。
アートや建築、インテリア、ファッション、ジュエリー・・・。バーグマンさんが世界中をめぐるなかでとらえた美しいものの姿。それが植物と融合することで、唯一無二のアートになった。作品に囲まれた空間に身を置くと、こちらまで感性の扉が開いていくような気がします。ギャラリーには、オーストラリアの山火事を憂い、鎮魂の願いを込めてつくった作品も展示されており、美しさのなかに秘められたバーグマンさんの思いも伝わってくるようです。
ギャラリーでは定期的に作品を入れ替えるそう。南青山の散策に新たな愉しみが増えそうです。
GALLERY nicolai Bergmann (ギャラリー ニコライ バーグマン)
東京都港区南青山5-5-20
tel: 03-6452-6545
11:00〜19:00 月曜定休
webサイト:www.gallerynicolaibergmann.com
インスタグラム:@gallerynicolaibergmann