リボン刺繍(後編)|山道テープでつくる「色とりどりのマーガレットブローチ」 講師:poritorieさん

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リボン刺繍(後編)|山道テープでつくる「色とりどりのマーガレットブローチ」 講師:poritorieさん

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前編では、「代官山 蔦屋書店」さんで開催中の『小さな草花でいろどる リボン刺繡&小物たち』フェアについてご紹介しました。後編はフェア期間中に行われたワークショップのレポートです。

撮影:奥 陽子  取材・文:つくりら編集部  協力:代官山 蔦屋書店

今回、poritorieさんが講師を務めたのは、「代官山 蔦屋書店のちいさな手芸教室」。こちらは手芸作家さんをお招きして定期的に行われているワークショップで、その第36回目がporitorieさんです。

 

セッティングの可愛さに感動!

店舗の一角にしつらえたテーブルがワークショップの会場。外の緑を借景に気持ちのよい空間です。さっそくporitorieさんが準備を始めます。この日つくるのは、poritorieさんの著書『小さな草花でいろどる リボン刺繡&小物たち』にも掲載されている「マーガレットのブローチ」です。

この日の参加者は6名。テーブルに材料が並びました。

ひとりひとりのセットの可愛いこと! 材料が入った小さな袋にはporitorieさんのスタンプが。そして小さなピンクッションはなんと木靴の形。市販の木靴に羊毛フェルトをまるめて詰めた、poritorieさんの手づくりです。どこまでも愛らしい演出に俄然、気分が上がります。

全員が揃ったところで、本日つくる「マーガレットブローチ」についてのお話が始まります。聞けばこのブローチ、ルーツはアンティークのくるみボタン。どんなふうにできているのか知りたくて、ほどいてみたらなんと山道テープでできていた・・・。それをporitorieさんなりにアレンジしてできあがったのが、このブローチなのだそう。

 

布選び、糸選びにワクワク

さあ、いよいよワークショップが始まります。

まずは、袋の中からリネンの布片を取り出します。すると色とりどりの布がたくさんでてきました。「この中から自分の使いたい色を選びましょう」とporitorieさん。シックなブルーにしようかと思いましたが、可愛らしさ重視で、今回はピンクの布に。

次に花びらの中央に配す花芯用の刺繍糸も選びます。今回使うのは太めの5番刺繍糸。これもまたたくさんの色があって迷ってしまいます。あれこれ合わせてみた結果、同色系でまとめることに。

これで作品づくりの材料が揃いました。6㎝角のリネン、直径30㎜の銅板のブローチ台、山道テープ、5番刺繍糸、山道テープをとめつけるジーンズステッチ糸。白い布はフレンチノットステッチのお試し用です。

 

山道テープで花びらづくり

山道テープでどんなふうにマーガレットをつくるのでしょう? 最初にporitorieさんが実演。種あかしが見られる瞬間です。

ジーンズステッチ糸を針に通して、山道テープの端から山をすくいます。

片側の山だけどんどんすくっていきます。「針を刺す場所は、山のてっぺんから同じ幅に揃えるときれいに仕上がりますよ」とアドバイス。さらに「刺し進めている間は、テープは引き抜かずに、針にためておきます」とも。大切なポイントを実際に見ながら確認できるのもワークショップならでは。

最後の山まで刺し終えたら、ここで一気に糸を引き、刺しはじめの3山くらいをすくってさらに糸を引きます。

poritorieさんの実演を見たあと、トライ。最初のうちは順調に山をすくえたのですが、後半になるにしたがい、テープがよれ始めて、うまく刺せません。

最後に糸を引いてまるく整える工程も、山があっち向いたり、こっち向いたりしてしまい、これも四苦八苦。poritorieさんにヘルプを頼みながら、なんとか花びらの形になりました。ふぅ。

左側がporitorieさん作、右側が記者作。比べてみるとporitorieさんのマーガレットは美しさが違う。きれいに花びらが揃っています。この見本は生徒さんに1つずつ配られていたもの。「もし花びらが上手にできなかったら、ここから先の工程は私のマーガレットを使ってブローチにしてもいいですよ」とporitorieさん。なんという細やかな配慮!

 

フレンチノットステッチに挑戦

花びらの中央にフレンチノットステッチで花芯をつくります。これは引き加減が大事で、ぎゅっと引きすぎるとノットがとっても小さくなってしまうし、ゆるすぎるともたついてしまいます。適度にふんわり、と言い聞かせつつ。

フレンチノットステッチで花芯ができました。

 

ブローチに仕立てる

poritorieさんが用意してくれたテンプレートを使って、まわりを丸くカットします。

布端から0.5㎝くらい内側をぐし縫いします。これはざくざく。

ブローチ台の銅板プレートを中に入れて引き絞ります。

ここまでくると、もう完成も間近。ずいぶんブローチらしくなりました!

これでほぼ終わりかと思いきや、「花びらの端を布にとめつけていきます」とporitorieさん。えっ? そこまでやるの? 思わず声がでてしまうと、「ここでしっかりとめつけないと、花びらが浮きあがってしまいます」とのお返事。なるほど。実際にブローチとして使うことまで考えて制作しなければなりませんね。ナットク。

ブローチ台に接着剤をつけて、マーガレットのプレートを貼り付けたら完成。

接着するまでクリップでとめて固定します。

2時間枠のワークショップは順調に進み、1時間半ちょっとで作品ができ上がりました。

最後にみなさんがつくった作品を並べて記念撮影。リネンと刺繍糸の色の違いで、雰囲気もずいぶん変わりますね。

生徒さんのなかには、著書にサインをお願いする方も。作品をつくり終えたあとのこんなひとときもワークショップの楽しみです。

たくさんの本に囲まれた空間で、手芸に集中できた今回のワークショップ。午前中の2時間はまさに「朝活」といった感じで、ざわざわと過ぎていく毎日の一服の清涼剤のようなひとときでした。

 

前編では、「代官山 蔦屋書店」さんで開催中の『小さな草花でいろどる リボン刺繍&小物たち』フェアのご紹介をしています。こちらもぜひご覧ください。

 

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