花とアンティークと 第5回(後編)|秋の花の代表格といえば、菊。仏花のイメージを一新させる、花と器の選び方とは? by フラワーノリタケ&Tisane Infusion

名古屋で評判のフローリスト、フラワーノリタケの則武潤二さんと、アンティークと雑貨を扱うTisane infusionの則武有里さんとのコラボレーション・スタイリングです。第5回の後編では、菊の花のアレンジメントをご紹介します。

フラワーアレンジ&スタイリング:則武潤二、則武有里 撮影・文:則武有里

菊に惹かれるのは、びっくりするくらい変わらない表情で長く咲き続けてくれるところ。こんな重宝な花を使わないなんてもったいない話ですよね。どうしたらその美しさが保てるのかインタビューしたいくらい(笑)。

 

凛とした白い古伊万里に生ける

お花屋さんの店頭では、まっすぐ背筋の伸びたお行儀のよい菊が大半ですが、今回使用した菊は色も形もいろいろ、自由奔放で曲がった愛嬌のあるものを選びました。

菊というと仏花のイメージが強いですが、使う器でずいぶんと印象を柔らかくできるのではないでしょうか。凛とした白い古伊万里の器に生けてみると、静と動のバランスが生まれ、見慣れた菊も新種の西洋の花にも見えてきませんか?

色もいろいろ、大きさもまちまちな菊を選ぶと、躍動感がでてスタイリッシュな雰囲気に。姿も曲がったものなど、短所に見える花材をあえて楽しむことも大事。平らな面の花顔にも動きと陰影が生まれて奥行きがでます。

花材はさまざまな山菊。関東や関西はビシっと揃ったものを中心に扱う生産者さんがほとんどですが、名古屋の花市場では、山に切り出しに行く個人の方や地元の女性たちが育てているものをまとめて持ってきている生産者さんがいらっしゃいます。

数は多くないですが、曲がった面白い菊や不揃いな花や草、山野草をもってきてくれるので、そういうものに目がないフラワーノリタケもお得意さんの一人。名古屋では、実生で種から育てた山菊は、通称、踊り菊というそうです。

 

和洋どちらにも使える青銅の器

フラワーノリタケでは、店舗などに花を生け込む装花の仕事もしています。和洋どちらのお店にも合わせられる器が青銅です。

この器に大きく枝ものを入れて大胆に飾っても絵になるのですが、水を張って花を一輪浮かべるだけでも人を惹きつける。まさに万能な器なんです。

こちらのアレンジメントは、枝、花一種類のみ。なのに、しっかり華やかさは足りています。

生け方のコツは、器の縁に枝垂れた長い枝や蔓などを使うこと。それだけでぐっと雰囲気が出ます。

水のスペースはなるべく広く空けておくようにすると水辺が綺麗です。花はまとめて飾る部分と、一輪、二輪と分けて飾る部分をつくると、すっきりします。

花はサガギク、葉ものはユキヤナギ。

 

花と器の色を統一する

菊だから可愛いいと言わせてしまうくらい新鮮に飾れるベストマッチな器を見つけることも楽しみのひとつです。

イギリスの陶ボトルと韓国のお餅の型、どちらもクリーム、ホワイト系。同系の菊の花色もプラスしてすっきりまとめてみました。

古い白磁餅型(トッサル)は、韓国で大事にされていた道具です。

3種類の菊のアレンジ、いかがでしたか? 手に入りやすい身近な菊も、花選びと使う器でいろんな表情が楽しめますので、ぜひ試してみてください!

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