アフリカ, ガーナ, コンゴ, テキスタイル, ナイジェリア, マリ, 伝統, 織物
アフリカ, ガーナ, コンゴ, テキスタイル, ナイジェリア, マリ, 伝統, 織物
更新日: 2022/05/10
世界各地の伝統的なテキスタイルの色に焦点を当てた『世界の配色見本帳』。配色パターンやテキスタイルのデザイン集として学べる新しいタイプの配色見本帳です。
文:ザ・ハレーションズ 撮影:サカモトタカシ 協力:SOLOLA 文:つくりら編集部
マリ共和国のバンバラ族やマレンケ族に伝わる民族布で、ボゴランフィニとは「泥を使って染めた布」という意味。
細長い帯状の木綿布を縫い合わせて1枚の大きな布に仕立てた後、発酵させた泥を使って染色。泥を塗っては洗う、の工程を何度も繰り返して色を染め上げていく。伝統的な黒地に白の幾何学模様の布は、悪いものを近づけないお守りとして身につけられていました。
【配色イメージ】
ガーナ共和国のアシャンティ族やエウェ族の伝統工芸による民族衣装。
シルクやコットンでつくられ、神聖な衣装として、現在は冠婚葬祭などの儀式で使われる。100以上もある伝統的なモチーフを織り込んでおり、アシャンティ族のケンテクロスは華やかな色合いで四角形・三角形・台形・平行四辺形などの幾何学模様が主。エウェ族のものは暗めのトーンが特徴で、動物や人物や日用品のモチーフなども織り込まれている。
【配色バー】
中央アフリカ・コンゴ中央部のクバ王国で作られている伝統的な織物。男性がラフィアヤシの葉を細く裂いた繊維で平織りの生地を織り、女性がその布に刺繍やアップリケをする。
なかでも、ショワ族の作る布は「草ビロード」と呼ばれ、ほぐした糸の束で模様を埋めて、もこもこした質感を出す「ランバット」という刺繍が施されているのが特徴。直線、ひし形、十字、山型などの幾何学模様が、布地の斜め方向に連続的に表現される。
【配色バー】
ナイジェリアのヨルバ族伝統の藍染布、アディレ。なかでもアディレ・エレコは、緻密な柄が美しいといわれる。エレコは「ペーストを使った」という意味で、キャッサバのでんぷん糊を防染剤にして、鳥の羽やヤシの葉の葉脈などで布に模様を手描きした後、藍染めする。
星、魚の骨、水、動物やアルファベットなどが描かれており、シンプルな藍染めのグラデーションの中にも、のびのびとした明るさとユーモアが感じられる。
【配色バー】
配色バーは、テキスタイルの使用色とボリュームを見た目の印象で記しています。あくまでも参考値としてご使用ください。
【テキスタイルの問い合わせ先】
ボゴランフィニ:ボゴランマーケット(https://www.bogolanmarket.com/)
ケンテクロス、クバの布、アディレ・エレコ:ROUND ROBIN(https://store.roundrobin.jp/)
Instagram:@tsukurira0714
Twitter:@tsukurira0714
【書誌情報】
『世界の配色見本帳』
ザ・ハレーションズ著
橋本実千代監修世界各国の伝統的なテキスタイルから、配色パターンやデザインを学べる新しいタイプの配色見本帳です。
長い歴史を持つ民族的な織物や染物から、ソレイアードやフェイラー、ローラ アシュレイといった人気ブランドまで、228種のテキスタイルを掲載、配色パターンは955種!
テキスタイルごとに使用色とボリュームを、見た目の印象で置き換えた「配色バー」で示しています。すべての色にはRGBとCMYKの数値を記載しているので、印刷にもデジタルにも対応。基本的な色のしくみや、世界各国のテキスタイルの特徴や歴史的背景も解説します。国旗とは違った各国の独特なテキスタイルを学べて、新鮮な配色を楽しむことができます。クリエイティブな活動に役立つ一冊です。
ザ・ハレーションズ
編集兼ライターの武智美恵とデザイナー兼イラストレーターの伊藤智代美からなる創作ユニット。
カラフルな色が大好きで「色」と「編み物」にまつわる著書を多数出版。ザ・ハレーションズ名義では『世界のパンチカラー配色見本帳』(ピエブックス)、『かぎ針編みのモチーフ 色づかいと配色の見本帖』(誠文堂新光社)、『かぎ針で編むモチーフデザインBOOK』(日本文芸社)などがある。
www.facebook.com/halations
橋本実千代
婦人服地のテキスタイル卸売会社に11年勤務後、色彩講師の道へ。クリエ・スクール、跡見学園女子大学他、企業、個人向けに色彩教育を行う。テレビ、雑誌、新聞の連載等でも活躍。
日本色彩学会正会員 色彩検定協会認 定色彩講師 東京商工会議所認定講師。
近著は『世界でいちばん素敵な色の教室』、『366日 日本の美しい色』/監修(三才ブックス)。