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あたらしい着物の教科書 もっと身近に、大人の和装スタイル

著者:木下着物研究所

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「着物がある毎日」には幸せが溢れてる!

読んだ人:水谷 花楓(ライター)

先日、京都・嵐山へ出かけた。

美しい景観に目を奪われたのと同時に、とても印象的だったのが、着物姿で散策する観光客に度々遭遇したこと。なんでも、手頃な価格で着物がレンタルできるお店があるようで、若いお嬢さんたちがかわいらしく着物を着て散策している様子は、実に微笑ましい。家族揃って着物姿で記念撮影をしていたり、少し年配のご夫婦が着物でゆったりと歩いている姿も。古都の風景と着物の装いがマッチして、素敵な空間が形づくられていた。

 

けれど、帰宅して近所を見渡してみると、着物姿で歩く人に出会うことは少ない。憧れこそあるものの、着物は「特別な日の装い」であり、「着崩してはいけない、美しく着こなさなくてはいけない」という固定観念があるからだろうか。

 

そんなイメージを払拭してくれるのが、『あたらしい着物の教科書』だ。

 

伝統や基礎的な知識はしっかりとおさえた上で、現代に合った「衣服としての着物」を提案してくれている。例えば、季節に応じた着物の選び方や体に心地よく美しい着姿を保てる「ラク美」な着方、普段のお手入れや収納のポイントなどもわかりやすく紹介されている。2泊3日の旅着物コーディネートやTPOにあわせた着回しコーデは、まるで女性誌の特集を眺めているよう。敷居が高いと感じていた着物が、すぐ手の届く存在まで近づいた感覚だ。

 

よくよく考えてみると、昔の人は誰もが着物を着ていて、それで家事や仕事をこなしていたのだから、多少の着崩れは日常的に起きていたはず。着崩れても「今日はこんなスタイル」と思って過ごせばいい。格式高い場で着る時以外は自分で洗濯ができる着物を選んで、汚れたら洗えばいい。そんな「着物をもっと身近に」という著者の木下さんの考えに触れ、さらに着物を着るハードルが低くなった。

 

また、「着物は自分もまわりも幸せにするツール」だと木下さん。実際に、ときどき着物を着て過ごしているという担当編集者も、知らない人に声をかけられて会話が弾んだり、着物の柄や着付け方を褒められたりすることが多いのだそう。「着物を着ていて嫌な思いをしたことがないので、まさに著者の木下さんがおっしゃるとおり、『自分もまわりも幸せにするツール』だと実感します」と言うのだから、着物に魅力を感じずにはいられない。

 

体に心地よく、気持ちもハッピーになれる着物を、「着てみたい」から「着てみよう」へと一歩踏み出せる。本書はまさに、一生モノの着物の教科書である。

概要

伝統を踏まえつつ、今の気候やライフスタイルにあった着方を提案。前で結べる帯結びなども写真で解説。着物がぐっと身近になる。

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