てまり, ゆびぬき, アクセサリー, 伝統, 作品展, 手仕事, 手芸, 雑貨
てまり, ゆびぬき, アクセサリー, 伝統, 作品展, 手仕事, 手芸, 雑貨
更新日: 2018/03/05
『小さなてまりとかわいい雑貨』をはじめ、加賀ゆびぬきと小さなてまりの本を次々と出版した寺島綾子さん。その寺島さんが主催する「こゆきの会(古河加賀ゆびぬきの会)」の作品展が3月中旬に茨城県古河市で開催されます。作品展に先立ち、寺島さんに作品をお借りし、撮影&インタビューさせていただきました。
撮影:mai murakawa 文:つくりら編集部
「こゆきの会」。この可愛らしい名前は「古河加賀ゆびぬきの会」の、古河の「こ」、ゆびぬきの「ゆ」と「き」をとった略称です。
「最初は加賀ゆびぬきから始まりましたが、のちに小さなてまりも加わり、今はそのどちらもつくれる教室となっています。元々は古河の方のみの会で私を含めて4名でスタートしましたが、徐々に関東近県の方が増え、今では人数が逆転しています。今回の展示会へは20名が参加します」
古河の桃まつりの時期に合わせて開かれる今回の作品展は、「こゆきの会」単独では初めての開催。壁面の展示などはなるべくお花をイメージさせるような色合いでつくるそう。
こちらは寺島さんの作品。トレイに乗っている小さなてまりはすべてお花がモチーフです。「中心のピンクのものは『二つ菊』という模様で人気のあるもの。繊細さを表現したかったので絹手縫い糸より細い絹ミシン糸を使いました」
ゆびぬきも花モチーフがたくさん。「左の緑のゆびぬきはわが家の玄関にあるエゴノキの花を表現しています。すずなりに咲く白くて可愛いお花です。真ん中は野バラ。小さなバラを表現しました」
左のゆびぬきは、寺島さんの著書、『愛らしい加賀のゆびぬき』に掲載された作品「LACE」を、地の色を変えてモチーフを細かくしたもの。
今回の作品展では、展示作品のほかに購入できる販売作品も並びます。ゆびぬきはそのままのかたちを生かしたものが多く、小さなてまりは、かんざし、ハットピン、ブローチなどに加工されているものが多くなるそう。
写真・左はバラのスカーフ留め。バラの花のピンクのグラデーションが見事です。右は小さくつくった加賀ゆびぬきをピアスにアレンジしたもの。金具などはアンティーク調のものを使って雰囲気を出しています。
会場となる古河市の「お休み処 坂長 石蔵」は、つくりらが初めて寺島さんにインタビューさせていただいた場所。国の登録有形文化財に指定されている古い建物で、敷地内には店蔵(旧古河城文庫蔵)、袖蔵(旧古河城乾蔵)などがあり、歴史情緒にあふれています。
作品展と一緒に楽しめそうな場所を尋ねると、「作品展の期間は総合公園で桃まつりが開催されています。1500本の桃の花が咲くのでとても綺麗ですよ。桃まつりの期間中はバスも出ますのでうまく使って散策されると良いかもしれません」と教えてくれました。
さらに、
「古河のもうひとつの見どころは篆刻。そう、古河は篆刻の街なのです。全国で唯一の篆刻美術館もおすすめです。こちらも蔵を利用しています。また、江戸時代後期の古河藩藩主・土井利位が雪の結晶を観察した図録『雪華図説』にちなんで、街のあちこちに雪の結晶があしらわれています。探して歩くのも面白いかもしれません」
気になるのはワークショップ。会期中に行っているのでしょうか?
「ワークショップは展示会内で販売されているキットを購入していただき、それを使って行います。2時間1,500円です。加賀ゆびぬきブースと小さなてまりブースに分かれてつくっていただきます。キットは小さな加賀ゆびぬき、小さなてまり、半分てまり、てまりの針山など何種類かご用意します」
キットに柄をかがる糸はつけず別売り。糸や裁縫道具は持ち込み可能なので、使い慣れたものを持参していただければ、とも。
会場では、『愛らしい加賀のゆびぬき』をはじめ、書籍掲載の作品も展示されるとのこと。そして、昨年のつくりらインタビューで紹介したオリジナルの絹糸の第二弾もお披露目されるそうで、こちらも楽しみです。
「前回の作品展から1年と少し経ちました。つくれる模様が増えたり、制作へのこだわりが増えたり、新しい材料を発見したり、魅せ方を工夫したり・・・大変な進歩をしていると思います。それぞれの成果を見ていただければ幸いです」
うれしいことに寺島さんは会期中、毎日在廊予定。茨城県古河市という寺島さんの“ホーム”での作品展、美しい手工芸が日々生み出される、その背景にもたくさん触れることができそうです。
展示会名:加賀ゆびぬきと小さなてまり
期間: 2018.3.21(Wed)-25(Sun)
場所:お休み処 坂長 石蔵
茨城県古河市中央町3-1-39
http://sakacho.com/
開催時間:10:00~17:00 *21日は12:00〜17:00、最終日の25日は10:00〜14:00まで
入場無料
展示の詳細はTwitter、Instagramにて随時配信中 ID: @koyukinokai
寺島綾子
幼いころからお裁縫が好きで、ぬいぐるみや刺繍を施した布小物など、さまざまなものを手づくりするなか、加賀てまり、加賀ゆびぬきに出合う。小手毬の会・小出孝子先生、加賀ゆびぬきの会・大西由紀子先生に師事。各地でてまりやゆびぬきのレッスンを行うかたわら、イベントなどで作品の製作・販売も行っている。著書に『小さなてまりとかわいい雑貨』『宝石みたいなてまりとくらしの小物』『愛らしい加賀のゆびぬき』(いずれも日本文芸社刊)がある。
http://inuinunuinui.cocolog-nifty.com/ayakumapu/