キュレーション・イベント(後編)|手織りのバッグと小物。LLOデザイナー、竹川ゆり子さんのものづくり。 Spice’n Taste MARKET

キュレーション・イベント(後編)|手織りのバッグと小物。LLOデザイナー、竹川ゆり子さんのものづくり。 Spice’n Taste MARKET

12月初旬、東京・神宮前に3日間だけオープンした、「Spice’n Taste MARKET」。前編ではイベントの様子をご紹介しました。後編では出展者のひとり、バッグや雑貨のデザイナー、LLOの竹川ゆり子さんのものづくりをクローズアップします。

撮影:奥 陽子 取材・文:つくりら編集部

LLOの竹川ゆり子さんに出会ったのは、数年前のこと。手づくり感の出すぎない、センスのよい布製バッグをデザインしてくださる方はいないかしら・・・そんなこんなでたどり着いたのが竹川さんでした。

 

立体として考えるバッグ

ブランド名の「LLO」は「a little less ordinary」のイニシャル。「ちょっと変わっているね、そこに愛着を感じる」というニュアンスを込めた布製バッグ&小物のブランドなのです。

LLOの製品は、竹川さんがデザインして職人さんが縫製と仕立てを行うスタンダートラインと、糸や生地の色合いを選んで1点ずつ竹川さんがつくるクラフトワークラインの2つがあります。どちらも、大胆な裁断と組み立てが目を引くユニークなデザインが特徴です。

デザインするときは、スケッチ画は描かず、折り紙みたいに立体をつくりながアイデアをカタチにしていくのだそう。この立体の発想が、のちに“織り”と結びつきます。

 

なぜ、手織り?

「着想となったのは、バスケットのような立体的なバッグです。これを織りで表現できないかと思ったんです。そういえば学生時代に機織り機を使っていたことを思い出し、イメージする立体を、まずは織りでやってみることにしました。自分のイメージに合う布を探すより、糸を使って自分で布をつくってしまおうという感じですね」

思い立ったら吉日。「2017年はイベント出展を控え、ひたすら、トンカラトンカラ、織り機に向かっていました」。

 

手織りでつくることの面白さ

織りをやってみて、なによりの収穫は、色で好きなことができるようになったことだと竹川さんは言います。

使っている糸は麻糸と綿糸が主で、麻糸は手芸用、綿糸は織り用の縦糸です。今回、イベントに出品した作品はツートーンカラーがメイン。どの糸も発色がきれいで、組み合わせを考えるのがとても楽しかったそう。

クラフト感あふれる感じではなくて、工業製品っぽさも欲しい。甘くなりすぎないよう、手づくりと工業品のちょうど中間のような存在がいい。竹川さんの思い描くイメージに、織りがぴたりとはまりました。編みでもなく、縫いでもなく。

作品のなかで目を引いたのは、ポーチよりも大きく、ショルダーバッグよりは小さいサコッシュ。前面とフラップ部分のみ織りで、後ろ面はあえて厚手のデニムや帆布に。「体にあたる後ろ面も織りだと肌触りがいまひとつなので」。使い心地を考え、しなやかに体にフィットするような素材バランスに着地させる。さすがです。

イベント会場には、配色違いのグレー×ネイビーや、黄緑×ブラウンのサコッシュが。サコッシュより小さめのポシェットは、パープル×グリーン。自分でつくったら到底思いつかない、色の組み合わせがとても新鮮!

こちらは小さめトート。目の覚めるようなパープル×ピンクのツートーンです。

内布と持ち手はヒッコリーデニム。内側には両サイドにポケットがあり、そのひとつはファスナーつき。さっと出し入れしたいものはオープンポケットに、鍵などの大事なものはファスナーつきポケットに。持ち手の長さといい、15㎝のマチといい、コンパクトながらもたっぷり収納できるベストサイズです。まさかと思いつつ、B5サイズの本を入れたら、すっぽり。

竹川さんの普段の暮らしでも大活躍だというフラットポーチは、横幅20cm×縦14cmでファスナー付き。発色のきれいな糸を使った大胆な配色のボーダー柄も、小ぶりなので主張しすぎず、着こなしのちょっとしたアクセントにも使えます。

「このポーチは使い勝手がとにかく良いです。化粧品やサニタリー品はもちろん、ペンやメガネ、通帳やメモ帳も入ります。脇にループ金具もつけてあるので、ストラップを取り付ければ、バッグに引っ掛けたり、ポシェットにしたり、用途も広がります」

ファスナーのもの、フラップつきのものなど、数種類。ファスナーの引き手につけた麻ひもがアクセントに。右側から2つは布製です。

 

これからつくってみたいもの

根強いファンがいるLLOの布製バッグに加え、今年新たに加わった手織りのバッグやポーチ。今後はどんなバッグが生まれるんでしょう?

「市場かごのように、耐久性と美しさを兼ね備えた、毎日使う道具としてのバッグを、手織りの布でつくりたいです。また、あえて色を抑えて素材の色を生かしてみるなど、色をもっと研究したいと思います」

ますます“用の美”が追求されそうな予感。思わず妄想がふくらんでしまいます。

「今後はお店に置いていただいたり、イベントに参加したりの機会を地道に増やす活動をしていきます。素材や形、色のオーダーにお応えできるようにもしていきたいですね」

取材当日、カメラマンはサコッシュを、記者は小さめトートバッグを、揃って“お持ち帰り”してしまった二人は、すっかりLLOのバッグに夢中。色やデザインはもちろんのこと、嬉しかったのは、ぴったりのサイズ感と欲しい場所にきちんとあるポケット。日々使い、その良さを実感したLLOのバッグ、早くも新作が楽しみです。

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