つくりら主催ワークショップ開催レポート(後編)|deuxRさんの「ウインターブルーリース」

つくりら主催ワークショップ開催レポート(後編)|deuxRさんの「ウインターブルーリース」

deuxR(デュエール)さんのワークショップの開催レポート、前編の「ヤドリギのスワッグ」に続き、後編は「ウインターブルーリース」です。

撮影:清水美由紀  取材・文:つくりら編集部  協力:サラグレース

幸運を呼び込むといわれているリース。終わりのない「輪」の姿は「永遠の命」を表すとされ、古くから「魔よけ」や「豊作」を願い、玄関や室内のドアに飾られてきました。1年の最後の月、12月につくるリースは、クリスマスを楽しむものでもあるし、新年の幸せを願うものでもあるのです。

 

凛とした佇まいの冬色リース

今回、deuxRさんが提案してくれたのは、秋色アジサイにコットンの実を遊ばせた「ウインターブルーリース」。ピンと張りつめた冬の空気に映える、青碧のリースです。

 

おしゃれな楕円形をつくる裏技も!

「ウインターブルーリース」の材料がテーブルにセットされ、いよいよワークショップが始まります。大きな袋にこんもり入っているのが秋色アジサイ。かなりの量です。

今回使う土台はひげつきサンキライ。「元は丸い土台です。土台をとめてあったワイヤーをカットして、上下をパキッと折って楕円形にしました」とdeuxRさん。そんな裏技があったのですね。いちから土台づくりをしなくても、市販の土台に手を加えて好きな大きさや形がつくれるなんて・・。新しい発見です。

ベースづくりはまず、スパニッシュモスを土台に巻いていきます。引っ張りながらぐるっと一周。土台のサイドも覆います。モスはグルーガンで固定しなくてもあとから挿す花材でとまるので大丈夫なのだそう。

各テーブルをまわり、生徒さんの作品を確認するdeuxRさん。気さくなトークに笑いが絶えません。

 

アジサイリース、美人の秘訣は“小分け”

用意された花材には、こんもりした秋色アジサイのほか、同色のチリチリしたアジサイも。「チリチリしたアジサイは下地用です。リースに高さを出して、ふんわりとしたリースに仕上げます」

チリチリアジサイの先端にグルーをつけ、土台に挿していきます。

土台ができ上がったところで、美しい秋色アジサイの出番です。「アジサイは入れれば入れるだけどんどん入ってしまうので、ぎゅうぎゅうにつめすぎないように注意してください。花の部分を手でそっと包むように持って、ふわっと入れるのがコツです」

さらに秘訣が。
「綺麗なカーブのリースをつくるには、アジサイはできるだけ小分けにします。全部小分けにしてから、土台につけていってもいいかもしれません。たまに立ち上がって全体を眺めてバランスをチェックしましょう」

アジサイを挿し終わったら、トゲトゲのベッチーズブルー(ルリタマアザミ)を入れていきます。アジサイの色合いとマッチした美しい青紫。色といい、形といい、まるでこのリースのために誂えたかのようなぴったり感です。

「ベッチーズブルーを入れるときは、アジサイにグルーがつかないように、アジサイを左手でクッと避けて入れましょう。トゲトゲしているので、はさみではさんで入れてもいいですね」

グッドタイミングで飛んでくる、deuxRさんの的確で細やかなアドバイス。ご自身は試行錯誤を重ねて習得した技やコツでしょうに、それを惜しげもなく教えてくれる。どこまでも大きいdeuxRさんの人間の器。ワークショップがすぐに満席になってしまうのも、リピーターさんが多いのも大いに納得です。

ベッチーズブルーとバランスを取りながら、コットンを加えていきます。

 

スパイス役はテトラゴナとスターチス

着々とリースづくりは進み、出番を待つのはテトラゴナとスターチスだけに。テトラゴナはひと枝にたくさん実がついていますが、これを2つずつ、あるいは3つずつに小分けします。

V字になったところにワイヤーを入れてクルクルと巻き、テララゴナと同じ長さくらいワイヤーを残してカット。バランスを見ながら4か所くらいに挿していきます。

スターチスは小分けにして、花が同じ高さになるように切り揃えてからグルーで土台に。

リースのバランスを見ながらどちらを上にするかを決めたら、上になる側にワイヤーでフックをつくります。

新年の幸せを願い、「Bonne Année」(あけましておめでとう)のメッセージカードを添えて。「金銀の水引をプラスすると、いっそう華やいだ雰囲気になります」

最後の仕上げはグレイのリボン。「このリースの色にぴったりなリボンに出会ってしまい、思わず材料に加えました」とdeuxRさん。リボンは結ばすにフックにかけてシュッと垂らすだけ。プラスしたけど盛ってない――そんなシックな演出からdeuxRさんの美意識が伝わってきます。

 

フレンチアンティークな空間が作品撮りの舞台

ワークショップの会場としてお借りしたサラグレースさんのスタジオは、こだわりのフレンチアンティークスタイル。いくつかに分かれた部屋には、アンティークのドアやマントルピースをはじめ、エレガントな装飾やレリーフが施された建具や家具がそこここに。作品撮りの舞台として、これほどワクワクする空間はありません。

deuxRさんはカーテンのかかった窓辺にリースを吊るしました。

カップボードの扉に吊るす人、ドアに掛ける人・・・。みなさん、ここぞ!という場所を見つけて撮影に集中します。

この日の撮影をお願いしたカメラマン、清水美由紀さんもノリノリで作品撮り。deuxRさんの作品をいろんなシーンで撮ってくれました。

冒頭の写真で登場したマントルピースの上で、斜めから撮影。

アンティークの椅子を舞台に。

サラグレースさんの器と一緒に。アジサイもスタイリング小物としてちらりと。

こんなドラマチックな1ショットもありました。

みなさんの作品の集合写真も、こんなアングルから撮ってみたり。

上から撮ると迫力満点! 

 

リースに見立てたリングシューに感激!

集中して取り組んだ作品づくりの後は、お待ちかねのティータイム。サラグレースさんの器も使わせていただけるとあり、さらにワクワク感が高まります。

この日のスイーツはHerriott(エリオット)さん特製のリングシュー、パリブレスト。「ウインターブルーリース」にちなんで楕円型! 秋色アジサイやベッチーズブルーのカラーイメージで、中にはさんだクリームは紫色のカシスとブルーベリーです。

盛りつけは、大きなプレートにデザートプレートを重ねたエレガントなスタイルに。スイーツのまわりにハーブをちらしてデコレーション。サラグレースさん、Herriottさんのセンスにまたまた感激です。

午前は「ヤドリギのスワッグ」、午後は「ウインターブルーリース」と、2018年の締めくくりにふさわしい素晴らしいワークショップになりました。ご参加くださったみなさん、deuxRさん、サラグレースさん、Herriottさん、そしてカメラマンの清水美由紀さん、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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