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愛らしい加賀のゆびぬき

著者:寺島綾子

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金沢の小さな「名勝」と出会う

読んだ人:立川千歳(編集者)

随分昔になるが、金沢の兼六園を訪ねてみたことがあった。確か寒い時期の夕刻近い時間で、灰色の空の下の中に佇む庭園の、その池のみなもの傍らで少し雪をかぶって立っている灯籠が印象的だった。

「加賀のゆびぬき」というものをこの本に出会って初めて知った。
加賀友禅のお針子さんが、はぎれや余った糸でつくっていた裁縫道具として伝えられてきたものだという。一見複雑に見える模様も一本の絹糸を規則的にかがっていくという、シンプルな手作業から紡ぎだされていくのだという。
それは見るものを飽きさせない、幾重にも折り重なった小さな宇宙である。
そうしてでき上がっていく世界は単純な縞模様だけではなく、たとえば「クリスマス」、たとえば「不思議の国のアリス」、たとえば「おやゆび姫」といった、もうひとつの物語の中へも連れて行ってくれる。

 

ゆびぬきは元々、針仕事をする上での実用的なものであったろうに、この本をめくっていくと「加賀のゆびぬき」はそれぞれが実用性を超えて独立した美的世界をつくって立っているように思えてくる。

 

自分でつくれたら、誰かにつくってプレゼントできたら、そんな思いに応えてくれる「愛らしい」小さな贈り物たちが親切に丁寧にこの本の中で待っている。

 

こんなささやかな指にはめる裁縫道具の中にも、やっぱりきちんと「名勝」はあるのである。

概要

根強い支持を得る加賀のゆびぬきのつくり方を、写真つきの解説で紹介。伝統の柄からオリジナルの作品まで。図案もわかりやすく工夫。

詳細情報

書籍名:愛らしい加賀のゆびぬき
著者:寺島綾子
ページ数:96ページ
判型:A5変型判
発売日:2017年2月
定価:1,728円(税込)

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